更新日:2026/10/1

マダガスカル・エホアラ編〜Peace on the Boat trip〜

ビースボートの船旅であちこち迷走したHinataの旅物語、「Peace on the Boat trip」。 笑いありハプニングあり、ちょっと不思議でほんわか緩まるHinataワールドへようこそ。   最初から読む ひとつ前の記事を読む

「隠しきれない躍動感・大地と共にあるという生き方」

 

マダガスカルの良さって、旅から帰ってから分かったことが多いっていうか。撮った写真見てて気づいたんだよね、ああ、とてもいい時間を過ごさせてもらっていたんだなあって。

他の国ってどこか日本と近い部分があるというか、驚くことや面白いなって思うことはたくさんありはするけど…生活の感覚もそこまでかけ離れてる感じがないから、なんとなく想像つく部分もあったその上で面白い感じなんだけどさ。マダガスカルは根底から違ったな。たぶん、人間自体から感じることが多かったからかも。ダイナミックな自然や野性味溢れる市場の様子、そんな風景も素敵なんだけど、そこから切って離せないのが人々の存在。なんか、躍動感がどこかあるんだよね。生きてる感じっていうのかな。

 

別にマダガスカルの人々がシャキッと動いてるってわけじゃあないよ、どっちかっていうとのんびりしてる、寝転んで店番してる風景もよく見たし。ゆっくりと動いてるんだけどね、体の奥にあるものっていうか。その渦巻くエネルギーみたいなものを感じるんだ。彼らとダイナミックな風景、そこから感じとれるものがとても似ている。そこで暮らしているということは、その土地のものを食べ、その土地の波動を受けている。人間って暮らしているその場所そのものなんだ。

 

それは、例えば写真を見ると一目瞭然でよく分かる。私たちが日本で、暮らしている街や自分のおうちの前で写真を撮ると違和感ないよね。だけど例えば、私たちがアフリカで彼らのおうちの前で写真を撮るとなんだか違和感がある。それは場所と自分の波動が違うからだと思うんだ。分かりやすく言うと、そこで暮らすとそこの空気感と自分が同じになる。

 

だからかな、マダガスカルに住む彼らの存在は内側からダイナミックで。こどもたちも元気いっぱいで純粋なエネルギーが体に溢れてる。何も話さなくてもその場で一緒に時間を過ごしていると、色んなエネルギーをいっぱいもらう感じがしてさ。あまりの暑さに頭では何も考えられないような状態だったけど、考えて分かることなんてここにはあまりない気がする。見て、感じて、受け入れて。じっくりと時間をかけてそこの場所と同調していく。そうしているうちに、写真に写る自分も少しだけ変化しているかも知れないね。

こちらが勝手に遊びだしたら、こどもたちが…

 

マダガスカルの最初のイメージとしては、とにかく物売りがすごかった。物売りの人々の勢いに押されて、どんどんとこちらの笑顔も口数も少なくなってくる。大人を真似て物売りするこどもたちも何か硬い表情。だけど、たぶんその子たちとホントに出会えるかどうかってのは、きっとそのあとのシーンだと思うんだ。

 

 こちらが勝手に遊びだしたら、さっきまで無表情で物売りしてたこどもたちが、なになに?何してんの~って興味深々に近寄ってきて私たちの真似をしだす。そこから彼らが彼ら自身に戻っていくんだけど、私たち自身もそうなんだよね、変なとらわれがなくなっていくんだ。結局はいつも、そこで起こっている何かに反応して終わるだけじゃなく、こちら側も常に自分自身を出してるか?ってことがきっとポイントで。大切なことを教えてもらったなぁって思った。まあこれが、相手が大人だったりするとまた難しいんだろうけどさ。彼らの生活もかかっているからね。

 

 比較的、生活にゆとりのある国では強引な物売りはいなかったな。道売りしてても、売りつけてくる感じはそこまでなかった。だけどその分、出会いの密度もそこまで濃くはないから旅から戻ってからの記憶も少し薄い。そして思い出すのは、物売りのこどもたちと遊んだ記憶。どうやったら、短い滞在時間の中で心の交流ができるんだろう。

 

買い物は交流のひとつ。会話もするし互いにやり取りがあるから。値引きだって、ひたすらまけてと言いっぱなしでなく、相手の言葉を混ぜて楽しくやればその場の雰囲気も良くなるんだって、交流上手な友だちを見てそう感じたなぁ。街中でダンスを披露して交流してた子もいた。これは言葉の壁を越えて届く、素敵な表現方法だよね。ニコニコと笑顔でいるだけでも、結構いい。写真撮るときなんかは特に気をつけてるんだ。そうすると撮った時の人々の反応が、ホントに違う。色んな国で写真撮ったけど、笑顔が返ってくる時の方が多かったな。

散策途中で、不意に森の中で何かが動く気配を感じた…

 

マダガスカルでもツアーに参加したよ。バスで島の奥地に向かうと、動物と人々が一緒に暮らす保護区があってさ。そこではサルやホロホロ鳥やワニまで、色んな動物が野生の状態で人と一緒に生活をしてるんだ。人々はちょっと山手に入った場所で米を作ったりもしているようだった。バスに乗って外の仕事から帰ってきた人たちにも出会った。彼らはそこの広大な大地にちょこんとお家を建てて、自然の流れに沿って生きている様子だったよ。

 散策途中で、不意に森の中で何かが動く気配を感じた。周りには誰もいない静かな森の奥…心臓が次第に高まってくる。立ち止まってドキドキしながら一点を凝視していると、そこからこどもたちが物音も立てずスルリと出てきて私を手招きしたんだ。もう、こんな野生感あふれる場所で驚かさないで〜。気を取り直して、呼ばれる方へとそっと近寄ってみたら、彼らの手の上で大きなカメレオンがじっとしていた。

 

その子たちの気配もまるでカメレオンが擬態してるかのように、森の中の空気と溶け込むようにして息も潜んでいた。動物と一体感があるって凄いよね。大地だけでなく、動物ともシンクロしている彼ら。森の中から気配もなくスッと現れてくる彼らを見ていると、人とか自然とかのラインなんてないような気がしてならない。ホントにさ、ひとつなんだよね。

 

山をでて今度は海に向かった。崖の上から見える広い海に、遊んでいるこどもたちが遠く小さく見える。何か、天国のような風景だな。こどもたちの笑い声がここにいても届いてくるようだよ。そのあまりの美しさに目を細めながら、マダガスカルを体全体で感じてみる。

ビーチに降りると、楽しそうに魚を獲っているこどもたちが…

 

ビーチに着いて降りていくと、楽しそうに魚を獲っているこどもたちがいたんだ。たぶん網で追い込み漁をしていたんだろうね、多人数で同時に動いていた。服を着たまま海に入って頭には魚を入れるカゴを乗せてさ。まるで魚の動きを読みきっているかのように動く彼らの、それは遊びのようでいてちゃんとした狩猟スタイルだった。彼らはきっと、小さなこどもの頃からこうして遊びながら、大切なものを学び取っているんだろう。

 

当たり前のことだけど、私たちは食べ物がないと生きてはいけない。その根本の作業、漁をして獲物を自分で捕るという作業を、この子たちは体で知っているんだ。自然が豊かな場所でなら、狩猟の技術があればある程度は生きていける。物売りの様子だけを見ていたら心配になってくる彼らの未来だけど、漁をしている姿を見ていたら、心配なのは私たちの未来の方だと思わされてしまったよ。

 

食べ物を自分たちで作ること、狩猟することを、あなたはどれだけできるのって彼らに聞かれたら、何も答えられない自分がここにいる。複雑な社会のシステムの中で生きて、複雑なルートをたどって、日々の食べ物を手に入れている私たち。このシステムが急激に傾いたとき、一体どうやって食べ物を手にいれることができるのだろう。ちゃんと生き延びることが、果たしてできるんだろうか。

震災や色んなことが起こっている現場からのニュースなどを見ていると、この社会のシステムの脆さを目の当たりにする。普段使っている便利な道具を急に取り上げられたら、私たちはまだ何もできない赤ちゃんのようでしかないよね。もっと「生き延びる術」を知る必要があるんだ。

 

まるで光っているかのような笑顔のマダガスカルのこどもたち。純粋なエネルギーを放出しながら大地に溶け込んで遊んでいる姿を見て、「生きることって美しいなぁ」って、そう心から思ったよ。

PHOTO GALLELY

「PHOTO GALLELY」

市場には米や豆類が豊富に並ぶ

お洒落に欠かせない麦わら帽子

 

魚フライを売る少女

こちらは歯磨き粉を販売中

 

人々や動物たちの大きなおウチ、大自然

 

森の中に溶け込んで生活する人々

 

木陰ではゆっくりと演奏が始まった

 

背中のコブが特徴のセブ牛

 

日陰に寝っ転がってお店番

 

街角の壁一面にペイントされたカラフルな広告

 

海では追い込み漁が続いている

 

とにかくみんな元気いっぱい

 

(取材・文・写真/Hinata)

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春に出航し、アジアから地中海、ヨーロッパ、北中米へとめぐる全108日間の世界一周クルーズ。ヨルダンやサントリーニ島、ロンドン、バンクーバーなど多彩な港を訪れ、ソグネフィヨルドやアラスカフィヨルドでは大自然の絶景を満喫します。旅行のベストシーズンといわれる初夏には、地中海から北欧まで数々の世界遺産と出会う航路へ。季節が織りなす風景とともに、まだ見ぬ世界を体感する船の旅です。

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