更新日:2026/10/1

モーリシャス島&レユニオン島前編〜Peace on the Boat trip〜

ビースボートの船旅であちこち迷走したHinataの旅物語、「Peace on the Boat trip」。 笑いありハプニングあり、ちょっと不思議でほんわか緩まるHinataワールドへようこそ。   最初から読む ひとつ前の記事を読む

「仲良くするのがいいんだ…そして、あるがままに」〜モーリシャス島・前編〜

 

言葉ってさ、例えば英語が分かれば海外なら大抵は通用するだろうって感覚がない?私は単純にそう思ってしまっていたんだけどさ。実はなかなか、そうでもない状況になることもあるんだ。

例えば南周り地球一周のクルーズでは、英語はほぼ使わないで母国語を話すような国が幾つかあった。そしてクレオール語(※1)という言葉を話している国も。そんな中にも英語を話せる人を探せばそれなりにいるんだろうけど、特にレユニオンはほとんど英語が使えなかった。改めて世界のことを何も知らない自分を感じたなぁ。今回はそんなクレオール語が印象的だった島、「モーリシャス(※2)」と「レユニオン(※3)」のお話だよ。

 

アフリカ大陸に近いこのふたつの小さな火山島は、場所が近い姉妹島であっても特徴がそれぞれに違っていてとても興味深い。そんな中で互いに共通して言える点はとても多民族な国だということ。

 

「モーリシャス島」は、リゾートアイランドとして有名でさ。国をあげて観光地としてブランディングしてるんだって。リゾートホテルなども比較的安めで泊まれるらしく、世界各国からの観光客がここモーリシャスを訪れているんだ。街中には大きなショッピングモールなどもあったよ。繊維業が盛んで、ちゃんと選びさえすればヨーロッパブランドの高級服がかなり安く手に入るみたい。雰囲気的にはそこまで都会感はなくって、どちらかというと南国のヨーロピアンテイストな街っていう感じだったな。

 

 

今回はツアーに参加、まずはバスに乗って山の方に向かった。街から離れた海岸沿いの道は、サトウキビ畑もあってかなりのんびりしていたよ。まず最初に、古くからあるラム酒の施設に行って年代物の高級ラム酒をあれこれと試飲。香りがとにかく良くって幸福感たっぷりなラム酒にみんなのほっぺがどんどん緩んでいく。ほろ酔いモードなおじさまに軽く絡まれつつも、ほんわかしたムードのバス旅が何とも楽しい。

(※1)「クレオール語」・・・ひとつの言語に、他の言語が混じってできた「ピジン語」が定着してきて次世代で母語になったもの。 (※2)「モーリシャス」・・・アフリカの国家でイギリス連邦加盟国。公用語は英語、一般的にはクレオール語、フランス語。通貨はモーリシャスルピー。 (※3)「レユニオン」・・・・フランスの海外県(植民地ではない)。公用語はフランス語、一般的にはクレオール語。通貨はユーロ。

窓の外には美しい茶畑が、途切れ途切れに現れては消えてゆく。

窓の外には美しい茶畑が、途切れ途切れに現れては消えてゆく。モーリシャスの特徴と言えば、色んな宗教施設があちこちにあること。何もなさそうな山奥の小高い場所に入り込んでいくと、突如驚くほどの数の施設が目の前に現れたのには驚いた。街中でもここにもある、ここにも…ってな感じでヒンドゥーのお寺、中国のお寺、キリスト寺院、イスラムのモスクなどが近くに混在していて面白い。

 

人々が祈っている姿があちこちに見かけられるんだけど、これだけ神様が混在している中でその祈り方も様々なスタイルでさ。だけどスタイルは違えど祈る姿から感じるものは同じで、共通して皆、凛としていて美しいんだよね。そこに集う様々な人たちの祈る姿をなにげなく眺めているうちに、神との対話は時として自分との対話でもあるのかもと感じたんだ。自分が何を求め、何に感謝をし、どう生きていきたいのか…祈るうちにそうやって見えてくるものがどこかあるような気がして。だから、少しでも祈りの時間を持つのは有意義なことだと、そう思えたよ。

 

中国の寺院は古い雰囲気で、とにかく赤一色だった。そこに黄色と、モーリシャスらしく椰子の木のグリーンが映えていてさ。敷地内を見ていると裏庭が何やらザワザワと騒がしい雰囲気。何なにどうしたの~?と行ってみるとそこには何と大きなゾウガメが!のっそりとお庭をお散歩しているよ。

どうやらモーリシャスには野生のゾウガメが生息しているらしいんだ。ならばこれってノラ猫ならぬノラ亀か?亀は万年っていうけどこの子は何歳くらいなんだろう、この寺院と共にずっとここで時間を経ているのかなぁ。ゾウガメってガラパゴス諸島辺りにしかいない希少なイメージだったけど…バッタリここで会えるなんてホント嬉しい、まさかの出会いだったよ。

 

この後は、負の遺産でもある「アープラヴァシ・ガート」を見学した。世界遺産には、悲しい歴史を持った負の遺産っていうのもあってさ。ここは過去、契約移民でインドからの何十万人もの移民を受け入れた場所。移民と言うと聞こえはいいけど、実際には刑務所のような場所に詰め込まれここで生活を余儀なくされた…そういった場所なんだそうだ。色んな歴史の元にある今。過去を知ることは今を知ることに繋がる、大切なことでもあるよね。

 

街中をバスで移動してモスクに到着。モスクを見学した後、外に出たらちょうど真ん前に小さな食べもの屋台が一軒あってさ。この食べ物ってどんな味なんだろうって思いながら、興味津々に眺めてたら屋台のおじさんが声かけてきてくれて。どうぞって、その食べ物を紙に包んで私にくれたんだ。あわててお金を払おうとしたらにっこり笑顔で「あげるよ」って。ええっ、なんで?私そんなに物欲しそうにしてたかしら。そしたら「みんな仲良くするのがいいんだ、だからプレゼントするよ」って。

もしかしたら、モスクから日本人の私が出てきたからかな。

 もしかしたら、モスクから日本人の私が出てきたからかな。違う文化の人間が自分の信仰対象である寺院に出入りすることって、毎日お祈りを欠かさないような信仰心の深い人たちからしたら少し不思議なことかもしれない。日本だと、神社仏閣に毎日必ずお参りに行くかというとほとんどの人がそうではない気がするし、他の文化の人たちがお寺や神社にいても特に何も思わないかもしれない。でもきっと、世界ではそうではないこともあるだろう。

 彼らの信仰の場所に出入りする私たち。だけどそれを友好的に捉えてくれたというか、異文化の私の興味心を優しく受け入れてくれたおじさんの懐の深さに何だかジーンとしてしまったよ。これだけたくさんの宗教が渾然と混じり合う土地では、異文化同士分け合うこと、助け合うこともまた大切にされているのだろう。もしこの小さな島でみんなが自己主張だけをしていたら、バランスはとっくに崩れているんじゃないかな。お互いを認め合っているからこそ、ずっとこの近さで一緒に暮らせているんだろうね。 「ありがとう」って言っておじさんから食べ物を受け取ると、これもあげるから持って行きなって手作りのフレッシュジュースまでくれたんだ。「仲良くするのがいいんだ」って、そう笑顔で言いながら。

PHOTO GALLELY

「PHOTO GALLELY」

神様の前にはお供え物とお香

生まれた時からずっとお寺と一緒

ワンピースとサンダルがよく似合うおばあさん

可愛い三角フラッグが張り巡らされていたモスク近辺

ここでの流行りはモジャモジャお髭

中国のお寺は赤がとっても印象的

溌剌とした美しいダンサーの女性たち

祈り深く、物静かな人が多いイメージのモーリシャス

後編へつづく>

(取材・文・写真/Hinata)

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2029年12月出航

第126回クルーズ

ピースボート地球一周の船旅 2027年4月 Voyage126

春に出航し、アジアから地中海、ヨーロッパ、北中米へとめぐる全108日間の世界一周クルーズ。ヨルダンやサントリーニ島、ロンドン、バンクーバーなど多彩な港を訪れ、ソグネフィヨルドやアラスカフィヨルドでは大自然の絶景を満喫します。旅行のベストシーズンといわれる初夏には、地中海から北欧まで数々の世界遺産と出会う航路へ。季節が織りなす風景とともに、まだ見ぬ世界を体感する船の旅です。

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