更新日:2026/9/30

モルディブ・マーレ前編〜Peace on the Boat trip〜

ビースボートの船旅であちこち迷走したHinataの旅物語、「Peace on the Boat trip」。 笑いありハプニングあり、ちょっと不思議でほんわか緩まるHinataワールドへようこそ。   最初から読む ひとつ前の記事を読む

「密度はマックス!幸せに向かうはずの発展と伏せ祈る姿」

マーレの街は小ぶりで可愛い。徒歩でも一日あればなんとかまわりきれる程の小ささだから、バイクだとホントにあっという間にまわれてしまうんだ。おそらく世界で最も小さな都市と言われているモルディブのマーレは、人口密度がとにかく高い過密都市なんだって。だからバイクが多いのか、これが全部車だったら渋滞も動かないくらいだよ。

モルディブの海の綺麗さは噂通りだった。空港のある島にも小船で行ってみたんだけど、透明度が高く奥の方まで透き通っていてホントに美しい。街の裏側の海でシュノーケルしている人がいたよ、上から見ても小さい熱帯魚みたいなのがたくさん見えるくらいなんだ。

港の近くにあるマーケットでは色鮮やかな野菜やフルーツ、ナッツ類などが所狭しと溢れかえっていて、地元の人たちが集まり大賑わいだった。バナナが大きなフサのまま吊り下げられて売られていたり、ココナッツや南国のフルーツもじっくり熟れて甘い匂いを漂わせている。大きな倉庫のような空間にぎっしりと詰まったお店たち。初めて見るものもいっぱいで、狭い通路をあれこれ試食しながら歩くのが何とも楽しい。

魚も、その日に採られた新鮮なものが全部ここに集まってくるんだ。日本のスーパーマーケットに並ぶような切り身の姿ではなくって、丸ごと一匹の大きな姿のままにドサドサッとバケツから流れ出てきては、縦に一列にお行儀よく並べられていくお魚さんたち。日本のこどもは魚が切り身で泳いでいると思ってるという都市伝説を聞いたことがあるけど、ホントかどうかはさておきここの風景を見せてあげたいって思うよ。

マーケット前にずらりと並ぶ釣り船。魚が獲れるとみんなここに戻ってくるから、魚がどうやって海から食卓へやってくるかのそのプロセスが凝縮して見られるんだ。獲りたてが綺麗にさばかれていくのを見ていると、新鮮な魚がいかに美味しそうかってのがとてもよく分かる。

賑わう漁港でお兄さんがふたり、さっきから釣り船の天井に登って何かやっている・・・

そんな風に賑わう漁港でお兄さんがふたり、さっきから釣り船の天井に登って何かやっている。ちょっと不可解な行動というか、立ったり座ったりを繰り返してて、何をやってるんだろうってじっと凝視してみると…どうやらちょうどイスラム教のお祈りの時間らしくてさ。他の船の上でも、よく見るとみんな同じ方向に向かって礼拝している姿があった。発展が進み急激に変わりつつあるマーレでは、お祈りの時間になっても閉まらない店が増えていたり、昼間から食堂やマーケットで女性を見かけるようになるなど、その信仰や生活スタイルなどもが大きく変わってきているんだって。そんな変化している時代の中でもこうやって、今でもお祈りを大切にしている姿があったことはとても印象的だった。

街中で人々がバスを待っている姿もね、みんなでキュッとくっついて仲良くベンチに座ってたりしてさ。そんなおじさんたちを見ていているとほっこりする。大人になってからでも、どこかこどもの頃のままの純粋な距離感なんだなぁって。敬虔なイスラムの教えの中で生きている彼ら…もしくは宗教が生活の中で人々の心を繋げ、どこか許し合いながら隣との壁をなくしているのかも知れない。そういう風に思って目の前にある風景を眺めていると、宗教を争いの元とするのも平和の架け橋とするのも、要はそれとの付き合い方ひとつなんだろうなってそう感じるんだ。

ちょっと面白かったのが、街中にあった小さな公園。公園内のあちこちの木の花が満開に咲いていると思いきや、近づいてみるとなんと全部、造花!なんでわざわざ?それもプラスチックやビニール素材でできたような仰々しい造花でさ。ショッキングピンクの花もあって色も凄い。よく見ると、花の真ん中に小さな電球のようなものが付いているよ。もしかしてこれって、夜には光るってやつですか?うわぁ気になる!満開の造花のライトアップ…う~ん毒々しそう。

しかし何で造花なんだろうね、巨大なバニヤンツリーの大木があちこちにあるような恵まれた自然環境の中、何であえてこんな風なことをしてみようと思ったのかが不思議。公園内は結構人がいっぱいでどうやら人気のスポットらしい。イスラム系の、頭にショールを巻いた女性たちがこどもをここで遊ばせているようだ。とにかくビジュアル的にも色々と、かなりインパクト大な場所だわ。

だけどもしかすると、ここのホントの面白さは夜にならないと分からないのかも知れない。夜の公園…生めかしく呼吸する巨木たちと、チープ感がある満開の造花のライトアップとが混じり合う、どこか作為的に作り出されたアート的異空間。ある意味そんな場所でしか味わえない独特な世界が繰り広げられているのかも。だとすれば、夜のライトアップも見てみたかったなぁ…残念。

この後に行ったアイス屋さんもかなりヤバかったんだ・・・

そうそう、この後に行ったアイス屋さんもかなりヤバかったんだ。アイスのショーケースを覗くとそこには何とも鮮やかなブルー、ピンク、グリーンのまるでペンキを混ぜたような色のアイス。あの~これ食べたことあるんですかって店員さんに聞いてみたくなる感じ。さすがにどギツイのにはチャレンジする勇気はなかったから、中でも比較的色の薄いアイスを食べてみた。味はまあまあ美味しかったかな。めっちゃ気にはなったけどね~ショッキングピンクとか。造花だらけの公園といい、このアイス屋さんといい、モルディブってある意味で最先端を突っ走っていってる感あるわ。

そしてベトナムに続き、モルディブでも体験したのがバイクツーリング。ツーリングといっても原付バイクのふたり乗りで、街中をウロウロといった具合なんだけどね。だけど車と違ってこの爽快感は何なんだってくらいに180度の視界な上に、目線も高いから写真やムービー撮るのはやっぱ楽しい!

最初は怖かったけど慣れてくるともうバイクは足でなんとか固定して、あとは右手にビデオ、左手にカメラといった具合に、バイクの後部座席から写真とムービーを交互にひたすら撮り続けてみた。とにかくピントより雰囲気重視、この街全体のイメージを短時間であちこち撮れたのはバイクのおかげかな。日本みたいにスピード出して飛ばさないから、きっとこうやってバイクの上から撮ることが可能なんだろうね。

 

とにかくベトナムとも共通して言えるのは、街中のどの道を走ってもバイクだらけってこと。特にモルディブに関しては夕方ごろ、これだけのバイク渋滞は見たことないってくらいに見事に渋滞してたなぁ。っていうかバイクで渋滞ってあるんだね。もちろん細い通路もどこもかしこも路駐だらけ、そんな狭い路地道をみんなスルスルとバイクで通り抜けていくから面白い。

外国でツーリングするとして、バイクの運転手は誰がやるのって?もちろん私が運転する訳じゃあないよ。地元の人が乗るバイクの、後ろのシートに乗せてもらうんだ。ベトナムでは交流会で友だちになった子が乗せてくれて、モルディブでは何とナンパされたんだよ。「バイク乗せてあげるから一緒に観光しよう」ってね。だけどちょっとした裏はあったんだ、後ろに乗せる代わりにお金はいらないけど、最後にお勧めの店に寄るからお土産とかどう?みたいな。

よく分からないけどまあいっかぁ、とりあえずマーレ一周ツアーに行ってみようよレッツゴー!ってなって、バイクの後ろにまたがってとにかく島の端から端のその裏側まで、路地という路地をすり抜けながらの撮影タイム。その日はとにかく暑い日だったから歩くの嫌だったんだよね。バイクで心地よい風を感じながら、同時に観光も撮影もできちゃうなんてホントにラッキーだよ。真夏の日差しが降り注ぐ常夏の島を、バイクであちこち駆け抜けてった。

 

>>後編へつづく

(取材・文・写真/Hinata)

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春に出航し、アジアから地中海、ヨーロッパ、北中米へとめぐる全108日間の世界一周クルーズ。ヨルダンやサントリーニ島、ロンドン、バンクーバーなど多彩な港を訪れ、ソグネフィヨルドやアラスカフィヨルドでは大自然の絶景を満喫します。旅行のベストシーズンといわれる初夏には、地中海から北欧まで数々の世界遺産と出会う航路へ。季節が織りなす風景とともに、まだ見ぬ世界を体感する船の旅です。

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