ビースボートの船旅であちこち迷走したHinataの旅物語、「Peace on the Boat trip」。
笑いありハプニングあり、ちょっと不思議でほんわか緩まるHinataワールドへようこそ。
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妖艶なタンゴに酔いしれる!見つめたままの飴玉の記憶
カラフルな街として有名な、ブエノスアイレスのボカ地区に着いたよ。
建物も壁も、どれもこれもがポップな色合いで楽しい。ここはアーティストの街としても有名で、街中には色んなオブジェや作品がそこかしこにあって見応え充分。人と同じ大きさの人形がベランダから手を振っていたりして、何だか陽気な街の風景にこちらまで笑顔になっちゃうよ。
アルゼンチンと言えば、もちろんタンゴ!ここまで来て見ない手はないよね。ボカ地区には街中のいたるところにレストランがあって、店先で生演奏とアルゼンチンタンゴが見られるようになってるんだ。それもそのはず、ここがタンゴ発祥の地だとか。情緒あふれるタンゴが生まれた街角かぁ、昼間はポップな街並みも夜になると雰囲気が変わるのかも知れないね。昔からの港街だし、きっとロマンチックな場所なんだろうな。
さて、どのお店で見ようか。店先で踊っている姿が見える感じはさすが本場ならでは、あちこちを見ながらどこに入るかじっくりとチェックしてみたよ。そしたら何だか抜群に雰囲気の良さげなお店を発見、ここに決めた~とステージ真ん前のテーブル席を陣取ってみる。
真近で見る迫力のタンゴ。踊っているのは若くて美しい男女のペアだ。踊りもしなやかながら、その憂いある表情も素晴らしい。ふたり共プロポーションも抜群だからとにかくポーズが映えるんだ。ため息が出るほどの美しさとキレのある技の数々に、これが本場のタンゴというものなんだとつくづく実感したよ。
歌手の生歌に合わせて踊るタンゴ、その歌詞の内容もきっと情愛を歌ったものなんだろうね。軽々しい感じでは決してない深い深い愛の世界を、情熱的な踊りを通して物語っているんだ。
「古い港街の、入り組んだ路地にある古酒場で出会ったふたり…タンゴを踊る女の姿に運命を感じたさすらいの旅人。そこで逢瀬を重ねていくうちに次第に想いは高まり、禁断の愛を成就すべく、ある夜ふたりで街を出ることを決める。小さくまとめた荷物を隠し持ち、港で落ち合う筈だったのに…
運命がふたりを引き裂いてしまった。女は反対する父の手によって監禁され、夜明け近くたってもふたりは出会うことが出来ず…旅人は打ちひしがれ船に乗り、そのまま二度と逢えることはなかった」
…とか。あ、また勝手な妄想に入っていたね私。例えばだよ、ベタだけどそんな感じのイメージが湧いてくるんだ。とにかく感情が前面に出ていてさ、やるせなさというか切なさ混じりの情熱というか、そんなような感情がギュッと体を取り巻く感覚に陥るんだよね。