ビースボートの船旅であちこち迷走したHinataの旅物語、「Peace on the Boat trip」。
笑いありハプニングあり、ちょっと不思議でほんわか緩まるHinataワールドへようこそ。
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ローブの下に隠れた足枷・いつか歩き出す日を夢見て…
自由の国アメリカ。その象徴としてあるのがニューヨークの街だ。それが分かりやすく、まんま「表現」されている場所。
人も物も混沌として雑多、けどどこか整頓されててスラッとしているから、ごちゃ混ぜになろうとしてもならない個別感があるんだ。
人は人、それはそれ。私は私でいるから、あなたはあなたとしていてもいいよ。すれ違いざまにポンと肩を叩き、そう言って過ぎ去っていくかのような個は雑多の中でそれぞれに際立つ。
タイムズスクエアを歩いていると、かなり自由な人がいつものスマイルで前から小走りに近寄ってきた。彼のこと、前からよく知ってるけどちょっと惜しいんだな。満面の笑顔の彼は慣れた感じで、私の友人の手を素早く取るとその隣に並びこちらを向いた。あ、写真ね。はいはいじゃあ一枚。パチリ。
ちょっと惜しいその訳は、彼は某ランドからやってきたネズミさん風なんだけど、その目が潤んでラリってるというか爽やかじゃないんだよね。いわゆるバッタモンってやつですか。
記念撮影してるとネズミさんの仲間たちがワラワラと集まってきたぞ、どの顔もよく知ってるけど、みんなで写真撮れって?とりあえず勢いに押されてパチリ。パチリ。じゃあね~と行こうとすると、ハイと出してくる手のひら。
なるほどそうきたか。サービスも押し売りならドネーションも強引。けど写真撮っちゃったからなぁと思って、ひとりに渡そうとするとみんな揃って笑顔で手のひらを出してきた。おっと~この感じは初めてだぞ、さすがニューヨーク。
やりとりの強引さに呆れて無視して立ち去ろうとする私たちに、一瞬ネズミの笑顔の下からオッさんの顔がチラリと覗いて見えたかと思うと、彼らは次のターゲットに向かって満面の笑顔で駆け寄っていった。引き際もまた勢いよかった、さすがニューヨーク。