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コラム
2021/06/08
6月8日は世界海洋デー!ピースボートでは海洋問題に対してどんなことを行っている?

 
 

6月8日は国連の定める「世界海洋デー」。
様々な社会問題に対して活動を行っているピースボートですが、地球一周の船旅をコーディネートしていることもあり、海洋に関わる活動もたくさん行っています。
そこで、今回の記事では、海洋問題の現状やピースボートが行っている活動、そして世界海洋デーに行われるイベントについてご紹介します!
教えてくれたのはピースボートUSのスタッフのエミリーさん。
エミリー・マグローン
2004年の47回クルーズにGETのボランティアスペイン語講師としてピースボートに参加。その後ピースボートスタッフとして海外ゲストのサポートや、環境問題や気候変動についての企画やプログラム作りに携わる。2011年からは国連本部の向かいに位置するピースボートUSの担当としてニューヨークで働いている。
ー世界には様々な問題がありますが、今私たちが海洋の問題に対して向き合って考えなければいけないのはなぜですか?また、海洋に関する問題には具体的にどんなものがありますか?
エミリー 海は地球の表面の7割以上を覆っており、この惑星の生命の源です。健康的な海がなければ、地球自身も私たちが今生きている自然環境を保っていくことができません。だからこそ、地球がもたらしてくれている天然資源を守るために声をあげていくことは、とても大事だと感じています。最近でいうと世界中でプラスチックによる汚染が深刻になっていますが、エコバッグを常に持ち歩く、必要以上にプラスチックを使わないなど、私たちの日々のちょっとした行動で使い捨てプラスチックの使用を減らすことができます。小さなアクションでもみんながやることで、一滴の雫が集まって大きなうねり(波)となり、変化を起こすことができると信じています。
ーピースボートでは海洋の問題に対してどんなことに取り組んでいますか?
エミリー オーシャンユースプログラム(海洋保護・気候行動のためのユースアンバサダー・プログラム)では、小さな島に住んでいる若者を船の上に招待し、船内ではクルーズの参加者に、寄港地では政府関係者や協力パートナーに向けて証言会を行うことで、彼らの声を国際社会に届けています。
エミリー オーシャンユースのメンバーたちは、小島嶼開発途上国(発展途上にある小さな島々)出身です。彼らは自分たちのコミュニティーで海洋問題や気候変動に取り組んでいます。今年の国連海洋デーに行う「Action for the Oceans」プログラムには、トリニダード・トバゴ、メキシコ、チリ、モントセラト島、セイシェル諸島、モーリシャス、フィジー、ベリーズ、東ティモールなど、世界各地から多くの卒業生が参加しています。彼らのプロフィールは以下のサイトからも閲覧できます。
>ACTION FOR THE OCEANS(英語サイト)
ーSDGsの目標に「13 気候変動に具体的な対策を」、「14 海の豊かさを守ろう」がありますが、ピースボートで行っている取り組みを教えてください。
エミリー SDGsユースプログラム(SDGsのためのユース)を何度も開催しています。このプログラムは海の上をチームで旅しながら気候問題や海洋問題について議論を交わし、自分たちのコミュニティでいかにSDGsを実践できるかを学ぶことを目的としています。これまでの事例を挙げると、繋がりのある大学と一緒に海洋教育のための絵画を作成したり、メキシコやコスタリカでビーチクリーンアップやマングローブの植樹活動を実施しました。
ー2019年のNY寄港時には船内で国連公式イベントを開催していましたが、なぜピースボートの船上で開催したのですか?
エミリー ピースボートは長年国連と協力をしていて、SDGsのための活動が幅広い国連の関係者に認められています。また、今までニューヨークや各寄港地で行われてきたイベントに国連の関係者に参加していただいており、洋上ならではの特別な空気や可能性も伝わっています。そのような経緯から、2019年は初めてピースボートだけの主催ではなく、国連のオフィシャルなイベントとしてレセプションをピースボートの船上で行いました。
―イベントではどんなことを行ったのですか。
エミリー イベントでは、ニューヨークに拠点をおく海洋問題に取り組んでいるさまざまな団体がブースを出展したり、パネルディスカッションを行なったり、個々のイベントを企画したりしました。例えばLonelywhaleというNPO団体は、「Ocean Heroes Bootcamp」という100人の11~16歳の子どもたちを対象にプラスチック汚染に対する解決策を考えるプロジェクトを企画しました。他にも、ハワイ出身のダンサーの方々がパフォーマンスをしたり、ニューヨーク在住の日本人アーティストDragon76さんがライブペインティングなども行いました。日中行われた持続可能なファッションの展示や、アート作品、映像やトークイベントなどはとても刺激になりましたし、夜はニューヨークを拠点に活動しているDJたちのパフォーマンスがデッキで行われ、レセプションを締めくくりました。
ー6月8日は国連の定める世界海洋デーですが、今年はこの日に何か行われるのでしょうか?
エミリー ピースボートUSでは今年、国連の世界海洋デーのひとつの実行委員会のコーディネートを行なっています。この実行委員会には40以上の団体が参画していて、6月を通して海洋保護の啓発などさまざまなイベントを実施する予定です。今年の国連世界海洋デーのテーマは「海洋:生命と生活」で、6月8日にはオンラインイベントも開催されるので、みなさんもぜひ参加してみてください。
>United Nations World Oceans Day 2021 THE OCEAN: LIFE AND LIVELIHOODS(英語サイト)
―そのイベントの中でピースボートは何を行う予定ですか?
エミリー 私たちはピースボートの「海洋保護・気候行動のためのユースアンバサダー」に過去に参加された方々が今の状況や活動を紹介する「Action for the Oceans(海洋アクション)」のプログラムを行います。いくつかのトレーニングセッションのあと、報告会のようなイベントを行う予定です。このイベントは、アートなどによる表現を通して、今一番気候変動の影響を受けている島々に住んでいる若者たちの話を聞く貴重な機会になります。また6月8日ー12日の週には「オーシャンシネマ」をはじめ、たくさんのオンラインイベントも企画しています。
私たちはピースボートの「海洋保護・気候行動のためのユースアンバサダー」に過去に参加された方々が今の状況や活動を紹介する「Action for the Oceans(海洋アクション)」のプログラムを行います。いくつかのトレーニングセッションのあと、報告会のようなイベントを行う予定です。このイベントは、アートなどによる表現を通して、今一番気候変動の影響を受けている島々に住んでいる若者たちの話を聞く貴重な機会になります。また6月8日ー12日の週には「オーシャンシネマ」をはじめ、たくさんのオンラインイベントも企画しています。
>CELEBRATING UN WORLD OCEANS DAY 2021!(英語サイト)
ーエミリーさんがこの仕事をする上で、海洋問題に関して考えていることなどあれば教えてください。
エミリー 私は、海の生態系に影響を与えているプラスチック汚染、乱獲、海洋汚染、気候変動などの課題は、声をあげることで誰しもがポジティブな影響を与えられると信じています。2021年はユネスコが主催する「国連海洋科学の10年」のスタートの年でもあります。なので人の社会活動による海への影響や地球温暖化を食い止める方法などを地球市民全員で考える良い機会だと思っています。地球にいる全ての人は、海と繋がっています。私たちが絶えずしている呼吸も、元を辿れば生命の源である海に繋がります。今後も、海洋問題を解決するための革新的なアイデアが生まれるきっかけや、たくさんの海洋問題に関わる人たちがピースボートに乗船する機会をつくっていきたいと思います。
ーこの記事を読んでいる人に何かメッセージをお願いします。
エミリー 国連海洋デーの活動を通して出会った水先案内人などと一緒に教育プログラムを作りながら、みなさんとまた船旅ができることを願っています。 毎日を世界海洋デーにしよう!

終わりに

世界海洋デーは、世界の海は繋がっているため、国を越えてみんなで海のことを考えようという日です。ぜひ6月8日をきっかけに海洋問題のことを知り、身近なとことからアクションを起こしてみるのはいかがでしょうか?
また、ピースボートでは「環境」をテーマに、セイシェル諸島とトリニダード・トバゴからゲストを招いたオンライン勉強会を行うので、ぜひこちらにも参加してみてください!
>6/16【世界を学ぼう】私にもできる海洋保護!~3つの海からの報告

(取材、文/鷲見萌夏 写真/PEACEBOAT、磯貝美輝、水本俊也)

 
 

PROFILE
sumimoeka
鷲見萌夏(ピースボートデッキ学生インターン)
1999年北海道札幌市生まれ。上智大学新聞学科在学中。
メディア・ジャーナリズムの勉強をしながら「表現」することを研究中。
ライターとして活動する中で、もっと自分の世界を広げたいと思いピースボート101回クルーズに参加。


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