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コラム
2021/05/27
スタッフに聞いた!2022年ピースボートクルーズの魅力!

 

 

年に3回世界一周のクルーズを出しているピースボートですが、実は時期によって航路が異なるんです!そのため、クルーズごとに訪れる寄港地や魅力も変わってきます。今回の記事では、地球一周の経験豊富なピースボートスタッフに教えてもらった2022年ピースボートクルーズの4月出航「北欧・アラスカクルーズ」、8月出航「オーロラ・フィヨルドクルーズ」、12月出航「南回りクルーズ」の魅力をそれぞれご紹介します!

ピースボート地球一周の船旅 2022年 4月 Voyage111

アカバ(ヨルダン)

―中東は日本ではあまりなじみがない地域ですよね。クルーズで訪れるアカバは、紅海を進んで行き、さらにアカバ湾の突き当り…という奥まったところにありますが、アカバの魅力はどんな所ですか?
スタッフ アカバの最大の魅力は世界遺産にも登録されている「ペトラ遺跡」で、ここは「インディ・ジョーンズ」を始めとする様々な映画の撮影地にもなっています。暗く狭いシークという峡谷を進んで行くと急に目の前にエル・ハズネ(宝物殿)が広がるのですが、その光景は本当に圧巻です。
―オプショナルツアーにはどのようなものがありますか?
スタッフ もちろん先ほどご紹介したペトラ遺跡を訪れるツアーもありますが、難民キャンプを訪れて支援を行うツアーもあります。ヨルダンにはパレスチナやシリア内戦から逃れてきた難民の人たちが多くいて、一つの街のような規模で難民キャンプが存在しています。ツアーでは、病院や学校、リハビリ施設を訪れて支援物資を届けています。

北欧

4月出航のクルーズはその名前にも「北欧」がつくように、北欧がイチオシだとお聞きしているのですが、それはなぜですか?
スタッフ 北欧を訪れるベストシーズンは5月~6月の初夏だと言われています。船で日本を出発してから北欧に到着するまでには1カ月ほどかかるので、4月出航の春クルーズはベストシーズンの北欧を訪れることができるんです。ピースボートの「北欧」クルーズではノルウェー、スウェーデン、デンマーク、フィンランドのいわゆる北欧4カ国に加えて、アイスランドとサンクトペテルブルグに寄港することも特徴です。
――北欧ではソグネフィヨルドの遊覧もあるのですね。
スタッフ 一般的な旅行でもフィヨルド遊覧をすることはできるのですが、旅の日程にフィヨルド遊覧が組み込まれているのはクルーズならではですよね。ソグネフィヨルドでは、結構狭いところを船が通っていくので、フィヨルド沿いに建っている民家の人が手を振ってくれることもあります。北欧クルーズの参加者の方に旅の中の一番の思い出を聞くと「ソグネフィヨルドの遊覧」という答えを聞くことが多いです。

地中海の国々

―今回の春クルーズでは、カタニア、マルタ、パルマなど、地中海に浮かぶ島への寄港が多いんですね。地中海の島の魅力はどんなところですか?
スタッフ 地中海の歴史を見ると港を起点に街が栄えているので、港の近くに観光スポットが集中していることが多いんですね。街全体が世界遺産になっているマルタ・バレッタでは旧市街の真下に船がつくので、船を降りたところにあるエレベーターを上がると「アッパー・バラッカ・ガーデン」という観光名所に行くことができるというアクセスの良さなんです。これらの街は街全体の規模も大きすぎないので、限られた時間のなかでも街全体を観光できるというのは魅力だと思います。

アラスカ(アメリカ)

―アラスカはピースボートで久しぶりに訪れるんですね。そんなアラスカの見どころを教えてください。
スタッフ その魅力は何と言っても豊かな大自然です!アラスカでもカレッジフィヨルドを遊覧するのですが、世界を一周してアラスカにつく頃には7月になるので、タイミングが合えばフィヨルドの氷が崩れる瞬間を見ることができます。自分も過去のクルーズで氷が崩れる瞬間を見たのですが、本当にスケールが圧倒的です。最近では地球温暖化の影響で氷が解けていると言われているので、フィヨルド遊覧ではそんな気候変動のことも考えながら、圧倒的な自然の力を感じてもらえたらと思います。
―ソグネフィヨルドとカレッジフィヨルドというように一度の旅で2つのフィヨルドを見ることができるのも世界一周クルーズの醍醐味ですね!

ピースボート地球一周の船旅 2022年 2022年8月 Voyage112

オーロラ観測

―8月に出航するこのクルーズの最大の魅力は「オーロラ」だとお聞きしました。年に3回のピースボートクルーズの中でもオーロラチャンスがあるのはこの8月出航のクルーズですが、それには何か理由があるのですか?
スタッフ 北欧の地域は春から夏にかけては日照時間が長いのでオーロラを見ることのできる時間が短くなってしまうのと、冬は海が荒れやすいので、夏から秋にかけてのぎりぎりの時期を狙っています。そのため、この8月出航のクルーズがオーロラを見るのに最適なんです。
―オーロラ観測というと、森の中で寒いのを耐えながらひたすら空を見上げている……といったイメージなのですが、船でオーロラを観測するメリットとは?
スタッフ オーロラ観測の最大の敵は「雲」なので陸だと見られる確率が3割程度ですが、船の場合は雲のないところに移動することができるので、見られる確率がグッと上がります。また、ピースボートではオーロラ観測の前後の日程に余裕を持たせているので、出現の程度に差はありますが、これまでのクルーズでのオーロラの観測確率は100%です!

アドリア海地域

―このクルーズでは「アドリア海の真珠」と称されるドブロブニクを始め、コトル、ドゥレスとアドリア海に面した港に訪れますが、その魅力は?また、スタッフさんのおすすめの寄港地などありますか?
スタッフ アドリア海というとやっぱりドブロブニクが有名ですが、個人的にはドゥレスが好きですね。物価が高いヨーロッパの中でも、ドゥレスは比較的物価が安価なのでレストランなどで安く美味しいものを食べることができます。海に近いだけあって料理ももちろん美味しいですし。ドゥレスと聞いてパッと思いつく観光地はないかもしれませんが、その観光地観光地していない感じが好きですね。
スタッフ コトルはアドリア海からコトル湾に入り、湾を奥まで進んで行ったところにあります。厳密にはフィヨルドではないのですが、ヨーロッパ最南部のフィヨルドとも呼ばれる湾を進んで行くのはとても趣があります。ここも港を起点に街が発展しているので、船が港に着いた瞬間に、中世の姿を残す街並みが広がる様子が個人的にとても好きな場所です。

ア・コルーニャ(スペイン)

―スペインの北側にある港「ア・コルーニャ」はあまりなじみのない街ですが、ここはどんな場所ですか?
スタッフ そうですね。ピースボートでスペインを訪れる時は、バルセロナやバレンシアなど南側の港に寄港することが多いので、ア・コルーニャに行くのは珍しいかもしれません。ア・コルーニャの南側に位置するサンティアゴ・デ・コンポステーラは、フランスのピレネーからスペインを横断し約800キロメートル離れた聖地を目指す「巡礼の道」の終着地点です。世界中から巡礼者が集まるこの地域は、にぎわいながらも清らかで厳かという独特の雰囲気があるので、ぜひその雰囲気を楽しんでほしいです。

イースター島(チリ)

―イースター島は日本から飛行機で行くのは乗り換えが多く大変なので、世界一周の途中に船で行けるのはとても嬉しいですね。
スタッフ イースター島はピースボートクルーズの中でも特に人気の高い寄港地の一つです。ピースボートスタッフからの評価も高く「地球を一周した回数は累計269回! 最強の旅人集団ピースボートスタッフ60人が選んだ『もう一度行きたい国』」のアンケートでは堂々の一位を獲得しています。そんなイースター島はその地形の特性上大きな船が近づけないので、島の近くに停泊してそこからテンダーボートに乗り込んで上陸します。天気によってはテンダーボートが出せず上陸をあきらめてしまうクルーズ会社もあるのですが、ピースボートではイースター島の前後の日程に余裕を持たせているので、全員が上陸できるようにしています。
―私が乗っていたクルーズも、予定されていた停泊期間の3日間から天候不良のため4日間に滞在期間が伸びました。初日に天候不良で上陸が中止になった時は、半ば上陸を諦めていたのでスタッフさんの対応がものすごくありがたかったです。

ピースボート地球一周の船旅 2022年 2022年12月 Voyage113

―これまで紹介した春出航のクルーズと夏出航のクルーズは北半球と南半球の両方を訪れるクルーズでしたが、12月出航のクルーズは南半球の寄港地が多い「南回り」のクルーズなんですね。南回りクルーズの魅力はどんなところですか?
スタッフ 南回りの航路そのものが大きな魅力だと思っています。そのほかの航路と異なり、スエズ運河やパナマ運河といった運河を通らずに地球を一周するのですが、このルートは大航海時代に先人たちが使っていた航路とほとんど同じなんですね。これはなかなかできる経験ではありませんし、喜望峰を通って世界一周をするという大航海時代の航路をなぞるロマンがあると思います。

南アフリカ

―南アフリカでは、ポートエリザベスとケープタウンの2つの港に寄港するのですね。スタッフさんから見て、南アフリカはどんな港ですか?
スタッフ ポートエリザベスではサファリを体験する人が多いです。アフリカの大地に生きる野生生物との出会いが魅力のサファリでは、フィヨルドやオーロラとは異なる自然のパワーを感じることができますね。ケープタウンは立法府でもあり南アフリカ有数の都市なので街並みなどはとても綺麗なのですが、街が現在の形になるまでには差別などの人種問題や植民地支配されていたという負の歴史も背負っています。また、若い人のエネルギーを非行ではなくオーケストラに向けるというコンセプトの「アフリカン・ユース・アンサンブル」を訪れるツアーも行っています。この国の歴史と人びとの歩みを感じるという点でも、訪れる意義の深い場所だと思っています。

マダガスカル

―また、クルーズではマダガスカルにも訪れますが、マダガスカルというと大きなバオバブの木が有名ですよね。実際に訪れてみていかがでしたか?
スタッフ やっぱりマダガスカルのバオバブはスケールが圧倒的なんですよね。バオバブの木自体は他の国でも見ることができるのですが、あのサイズの木がたくさん並んでいるのはマダガスカルくらいだと思います。日本からマダガスカルまでは飛行機でもなかなか行きにくいので、クルーズで行けるというのも魅力の一つです。

ブラジル

―ブラジルというとサンバやサッカーのイメージが強いのですが、実際に訪れた際にはどんなことをするのですか?
スタッフ ピースボートでは20年以上前からツアーで「アフロヘギイ」という団体を訪問しています。ブラジルにはスラムが多く、若者の近くに犯罪が存在していることや、貧困から抜け出すための手段として犯罪に手を染めてしまう若者もたくさんいます。そこで若者が非行に走らないよう、若いパワーを音楽やアートに向けているのがアフロヘギイです。今や、リオのカーニバルの際沿道でパフォーマンスを行った際には、最大の人数を集めるほどの人気となり、若い人たちの目標になりました。実際にアフロヘギイが設立されてから犯罪率が下がっているそうです。貧困・暴力は世界中にありますが、そこからポジティブに抜け出していった人たちの活力をぜひ自分の目で見てほしいです。

ウシュアイア(アルゼンチン)

―人が住んでいる中で最南端の街となるウシュアイアにも訪れる予定ですが、どんな魅力がありますか?
スタッフ ウシュアイアに訪れるのは2月ごろなので気温が5℃くらいと最「南」端のイメージとは異なり意外と寒いのですが、晴れの日は空気が澄み、すごく綺麗で気持ちよい街です。人が住んでいる地域の中でどこが最南端なのかということに関しては、普段あまり意識しないしイメージがつきにくいと思うのですが、ここから手紙を出すと最南端のスタンプがついてくるなど、街の雰囲気的にも旅っぽい感じがするので個人的にすごくお勧めの寄港地です。あと、海沿いの街というだけあってシーフードが美味しいのですが、その中でも特にウシュアイアのカニは絶品なのでぜひお試しあれ。

終わりに

2022年に出航予定のピースボートクルーズにはそれぞれに魅力があって、どれに乗るのか決めるのが難しいですね……。スタッフの方によると乗船するのクルーズを決める際のポイントは、船に乗りたい時期or行きたい寄港地のどちらを優先するか考えながら具体的なクルーズを決めることだそうです。ピースボートクルーズのサイトには2023年までのクルーズ情報が公開されているので、そちらも併せてご覧ください!
ピースボートクルーズ 公式HP
(文/鷲見萌夏 写真/PEACEBOAT、中筋浩太、水本俊也、汰木志保、Adobe Stock、shutterstock.com)
PROFILE
sumimoeka
鷲見萌夏(ピースボートデッキ学生インターン)
1999年北海道札幌市生まれ。上智大学 新聞学科在学中。
メディア・ジャーナリズムの勉強をしながら「表現」することを研究中。
ライターとして活動する中で、もっと自分の世界を広げたいと思いピースボート101回クルーズに参加。


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