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コラム
2020/10/23
本の世界を旅しよう 読めば世界の見え方が変わる本6選!

 

 

せっかく海外を旅するなら、世界について少し知識を仕入れてから出かけたいもの。絶景やグルメを楽しむのもいいけれど、歴史や文化、社会情勢を学んでからその土地を訪れれば、確実にその旅は深まるはずです。今回は、なかなか海外に行けないこのタイミングだからこそ読みたい、旅の視点を与えてくれる本の数々をご紹介します。旅行を計画している人も、最近ご無沙汰の人も、日常を飛び出して本の世界で旅をしてみませんか?

旅の絵本シリーズ 安野光雅

まずは準備運動がてら、旅の意欲が高まること間違いなしの絵本をご紹介。安野光雅の描いた「旅の絵本」シリーズです。この絵本にはストーリーが特になく、一人の旅人がヨーロッパ各地や米国、中国、日本など世界各地の街や田舎を歩く様子が淡々と描かれているだけ。
旅の一コマを切り取ったシンプルな構成ながら、風景の美しさと『ウォーリーを探せ』的な楽しさが同時に味わえて、何度見ても飽きないんです。本を開けば確実に旅に出たくなる、オススメの1冊です。

河童が覗いたヨーロッパ 妹尾河童

舞台美術家の著者によるヨーロッパ見聞録。興味のおもむくままに城めぐりをしたり、泊まったホテルの部屋の間取りをスケッチしたり、ヨーロッパの地域性や日本との文化の違いについて考えたり……。そのユニークな視点は「興味の持ち方」を教えてくれているように思います。
そして何よりこの本のスゴいところは、本文も挿絵もすべて本人の手書きというところ。この本が出版されたのは1976年と半世紀近くも前で、各国の関係や通貨の種類、物価など現在と異なる部分も多いのですが、それらを補って余りある生き生きとした描写は、旅行ガイドや写真集からは得られない魅力に満ちています。

謎のアジア納豆 そして帰ってきた<日本納豆> 高野秀行

「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それをおもしろおかしく書く」をモットーとする辺境作家・高野秀行が、ミャンマーの奥地で日本のものと変わらない『納豆卵かけご飯』を食べたことをきっかけにアジア各地に伝わる納豆を探し歩いた旅の記録。「納豆=日本」という常識が鮮やかにくつがえされていく様子は実にスリリング。タイ、ミャンマー、ネパール、中国、そして日本国内と、あちこちに伝わる納豆を求めて旅をするうちに、納豆の秘密と魅力が紐解かれていく様は圧巻です。目からウロコがこぼれるとともに、食文化の奥の深さにふれることができます。

ヤノマミ 国分拓

アマゾンの先住民族と150日間暮らし、ドキュメンタリー番組を撮ったNHKのディレクターによる本。ブラジル北部、ベネズエラにまたがるアマゾンの広大なジャングルに暮らし、遥か昔から続く独自の伝統と風習を保ち続けている先住民族「ヤノマミ」の生活に密着した様子をまとめた記録です。
ヤノマミとは、彼らの言葉で「人間」を指すのだそう。集団での狩りや畑での自給自足、豊かな実りに感謝をささげる祭り、そして「生と死」――20世紀になるまでほとんど外部との交流を持たなかった彼らの暮らしを通して、人間の本質的な姿が浮かび上がります。
探検や異文化コミュニケーションに興味のある人にオススメです。

キャパの十字架 沢木耕太郎

『深夜特急』の著者として有名な沢木耕太郎が、歴史的な報道写真家ロバート・キャパの撮影した1枚の写真に隠された謎に迫るノンフィクション。キャパが従軍したスペイン内戦において、兵士が銃弾に倒れる瞬間を撮影した『崩れ落ちる兵士』は、人間の死の瞬間を捉えた歴史的な報道写真として世界的に知られています。しかし、撮影時や状況に多くの謎があることから「やらせ疑惑」も噴出するなど、議論の絶えない写真でもあります。
スペイン内戦とカメラの歴史、キャパの人生を辿り、そして実際にスペイン各地を旅しながら辿り着いた答えとは…。旅の気分と、上質なミステリー小説を読むような感覚が存分に味わえます。

フォトドキュメンタリー 人間の尊厳 林典子

世界最大規模の報道写真祭で最高賞を受賞した著者が、日本のニュースでは報道されない「世界の片隅」を切り取ったレポート。報道の自由がないアフリカの小国で奮闘する記者や結婚相手から顔に硫酸をかけられたパキスタンの女性、誘拐され結婚を強要されたキルギスの女子大生など、世界各地で生きぬく人びとと寄り添い、その生活の一部を伝える1冊です。
ショッキングな内容も多く含まれているのですが、なかなか想像することのできない世界の問題について考えるキッカケがつまっています。

終わりに

今回は、これから旅に出る方や日常の中で旅の気分を味わいたい方にオススメの本をご紹介しましたが、旅ゴコロを刺激する作品はあったでしょうか。また、実際に旅行をした後に読み返してみると、新たな発見があったり次の旅へのモチベーションにつながるはずです。気になった本があれば、ぜひ皆さんの読書リストに加えてみてください。
(文/岡田哲、写真/PEACEBOAT、水本俊也、Stacy Hughes)
PROFILE
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岡田哲
2014年、26歳のときに4年勤めた会社を辞めてピースボートに乗船。クルーズ中に船内新聞づくりを手伝ったことがきっかけで、船を降りてからもたまにライター・編集業をしている。趣味:美術鑑賞、読書、ハンドボール


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