満腹で重たいお腹をさすりつつ道を歩いている途中、建物を通り過ぎる瞬間横目に映る、奥まった空間が気になる。門から建物玄関まで続く短めの通路、そこにいつも、何かしらの気配を感じるんだよね。
世界中のどこにでもあるその雰囲気だけど、アンティグアの街の道々にある薄暗い空間には他とは違う、とても古い生き物がいるかのような気配がするんだ。だからついつい立ち止まってジッと覗き込んでしまう。
山側に近い街の端辺りに、たくさんのお土産物が集まっているかなり広いお店があってさ。古い倉庫のような埃っぽい空間に手織りのマヤの織物や動物などのお面、キリストの像やコーヒーなんかが、一種独特の雰囲気で壁や棚にぎっしりと並べられていたんだ。何だか圧倒されてしまう雰囲気。
そこにいるだけで何だか少しボーッとてきたので、頭の空気を入れ替えようとトイレを探しつつ、建物の横にある踊り場のような場所へ足を運んでみた。
その奥をそろりと覗いてみると、もの凄い気配を発している空間があった。恐る恐る近寄ってみると、木で囲いがしてある祠の中に何かの像が飾られていたんだ。周りには花がたくさん飾られていてローソクもいくつか灯されている。
何か呼ばれてるような感じがあるんだけど…と思いつつ、ちょこんと頭を下げてから後ずさりする。何にせよイマイチよく分からないものには安易に心を許さない方がいいもんねと、くるりと方向転換して賑わうお店の方へと向かった。