そして次の日。結局また電車を乗り継ぎ、ロンドンまでひとりで来ちゃった私。だってせっかくだから見ておこうかなぁって思ってさ。そう、昨日見られなかったイギリスの伝統「衛兵交代式」をね。朝早くで来てみたんだけど時間的にもうギリギリだ。
昨日通った道をたどって宮殿方面へと走り急ぎ、到着!そしたら昨日の倍の倍、どれだけいるのってぐらいに人が宮殿を取り囲んでいた。長い柵の中を覗き込んでみるとそこに、いたよ、整列して何十人っていう衛兵さんたちが並んでる…あれ?もしかしてこの雰囲気は、もう終わりかけのような~
黒の制服にお巡りさんのような帽子、目の前にいる衛兵さんたちはイマドキな制服に身を包んでいた。うん?イメージとちょっと違うんだけど。ふと横を向くと宮殿の隅にひとり、伝統的な格好をした衛兵さんが立っていた。そうそう、これでしょ。
映像なんかで見たことあるんじゃないかな、赤い制服を着てマッチ棒の先みたいな黒い帽子をかぶった衛兵さん。その立ち姿は、宮殿としっくりはまってすごく絵になっててさ。やっぱり普通のガードマンとはちょっと違うというか、さすが古くからの伝統って感じで存在感が抜群だったよ。それを見れただけでも来た価値はあったかも、と自分を慰めてみる。
この伝統の帽子さ、気になるよね。やたら高くて大きい帽子で、これってどんな意味があるの?って。実は、背を高く見せて相手を威嚇する為なんだってさ。1815年、ワーテルローの戦いでナポレオンに勝利して以来のスタイルらしいよ。
伝統だからこだわりがあって当然だよ、うん。だけどこの帽子、かなり大きいし実際に結構重いらしい…でもそこがいいって思えるんだ。いざという時この帽子ってかなり邪魔かもねっていう、その微妙に実用性のないどこかユーモラスな感じがホッとするというか。
交代式が終わると、そんなマッチ棒帽子の音楽隊の集団がうじゃっと出てきて周辺をパレード、華々しく楽器を演奏しながら歩いて宮殿を後にして行った。
そして最後に護衛なのか、真っ白な馬に乗った女性が現れた。颯爽と馬を乗りこなしながら、パレードが終わってから道路に向かい、車が走る通りを馬で毅然と進む姿がとても印象的だったよ。ここではきっと何もかもが、昔からの伝統のままにあるんだろうね。
さてと。宮殿ともうひとつロンドンと言えば…ミーハーな感じで「キング・クロス駅」に向かった。
イギリスの有名な物語で現代のロングセラーになっている、そう、「ハリーポッター」だ。読んだことあるかな?私はたまたま友人が全巻持っていて、勧められるままに読んだんだけどこれが結構面白いんだ。こども心に帰って読める物語っていうかさ。