小さなレストランが並んでいる通りに出ると、美味しそうな匂いが。店頭で焼き鳥のような大きな串を焼いているお店があって、一体何を焼いているのか覗き込んでみた。そしたら串を焼いていたお兄さんが、「どれが食べたい?」ってジェスチャーするから、これとこれも美味しそうってやってるうちに結局そこで食べることになった。
お店の中にカウンターがあって、たくさんの種類のおかずが並んでる。どうやらこれをセレクトしてワンプレートに乗せて食べるスタイルらしい。どれも美味しそうで思わず凄い量をオーダーしてしまう。テーブルに運ばれてきたのは、ラム肉のラザニア、カレーパスタ、煮込んだ豆、そして鳥の串焼きとフランスパンっていう異文化がどっさりと混じり合ったプレート。
フランスパンは頼んでないのに出てきたよ、これって普通なのかしら。しかも大きくぶつ切りしたのが何個もバスケットに入ってて、丸ごと1本分はある。あまりの量に驚いたけど、とにかく美味しそうだ。フランスパンまで全部は無理にせよ、自分で注文したものは残さないぞと勢い良く食べ始めた。
もう、ほんとにどれもが美味しくってさ。モグモグとひたすら食べ続ける私を店員さんがさっきからチラチラ見てる。この女、よく食うよなあ!ってきっと思ってるんだろうね。店にはフランス人らしき客はいず、イスラム系の人ばかり。もちろんアジア系の人間も私のみ。きっと珍しいんだろうね、私みたいな客って。
そしてついに完食!マジですかって自分でも思ったよ。立ち上がれるかなぁってぐらいにお腹いっぱいで放心してたら、店員さんが来て空っぽになったお皿を指差しながら何か言ってきた。お皿下げるよって言ってるんだと思って、ウンウンとうなずく。そしたらさ。下げたはずのお皿に、また同じメニューをいっぱい入れて持ってきた~
「おかわり」ですか!思わず吹き出しそうになったよ。いやいや、無理無理、無理です~ってジェスチャーしたら、あれ、違うんだって感じでお皿を下げた店員さん。しかし「おかわり」って。初めてだよ、おかわり持ってきてくれたレストラン。しかも最初と同じ量でさ…ホントまぼろしかと思うよね。
私どれだけ大食いって思われたんだろうって思いながらも、また気を取り直してレジに精算しに行った。そしたら店員さんがさ、「いくらがいいかな、7ユーロ、6ユーロがいい?」って。私に値段を聞くのは何故?しかも結局6ユーロにしてくれたんだ、安っ。
色んな意味で、忘れられない思い出を作ったレストランを後にして、また街を散策してみることにした。重たいお腹を抱えてヨタヨタ歩きをしながらも、なかなか冴えていた私の直感は次にマルシェを見つけ出すことに成功。人でわんさかしている中へとヨタりながら突入して行った。