ビースボートの船旅であちこち迷走したHinataの旅物語、「Peace on the Boat trip」。
笑いありハプニングあり、ちょっと不思議でほんわか緩まるHinataワールドへようこそ。
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インド人とダブルデート?マサラの街をリアル体感
「ふたりで丸一日乗って、4ドルでどう?」港で、そんな提案をしてきたインド人がいた。アジアでよく見かける三輪タクシー「オートリキシャ」(※)の運転手だ。
インドは物価が安いって聞いていたけど、この提案はかなり凄いよね。だってひとり2ドルで丸一日リキシャに乗れるんだよ。後で他の人に聞いたら8ドルとか、10ドル程だったっていう話。あまりに安いからちょっと怪しいかも…なんて思って、その時に何度も問い直してみたけどやっぱり「ワンピープル2ダラー、オールデイ」という返事が返ってくるので、友人のSちゃんと半信半疑ながらもふたりで乗り込んでみた。
※オートリキシャ…三輪タクシーの呼び名。トゥクトゥク、サムローなど国によって呼び名が違う。
そしたら不意にもうひとりインド人が現れて、「ひとりにつきリキシャ一台だよ」と言ってきたんだ。どういうことかと詳しく聞いてみると…
どうやら彼らはお店を何件かまわりたいらしい。店に客を連れて行くと彼らは特典を手に入れることが出来る。だから何件か連れて行きたいんだけど、リキシャ1台につき1スタンプ貰えるから、ふたりが2台に分かれてお店に行くとそれぞれが1スタンプづつ貰えると。そのスタンプで特典が貰えたら自分たちのリキシャ代金は安くても問題無い、お互いに助け合って楽しく観光しようよって提案だった。
なんとなく腑に落ちたような落ちないような。でもこのふたり、直感でなんとなく信用できる気がしたんだ。そんな訳で友人と別々のリキシャに乗って最初の目的地に向かってみた。
リキシャは街中へと向かっている。その途中の道沿いの海でフィッシングネットが見えてきたので、まずは止まって観光的写真をパチリ。ここではとても大きなフィッシングネットを使って漁をしてるんだ。海沿いにはそのネットが連なっている風景も見られて、ちょっとした撮影スポットになっているらしい。
もう一度リキシャに乗り込もうとしたら、運転手のチャイ(仮名)が、こっちに座りなよと自分の隣の席を指差した。オートリキシャの運転席にふたり座ってるのなんて見たことないよね。でも、なんだか面白そう。私は片手にカメラ、片手にビデオといういつものスタイルだったんだけど映像も真正面から撮れそうだし、ちょっといいんじゃない?
ワクワクしながら隣に座ってみる。運転席は狭いからふたりでキュウっとくっついて、かなりの密着度。「今日あなたは私の奥さんね」なんて言ってくるチャイを軽いトークでかわしながら、撮影に集中する。
コーチンの旧市街は、そこまで大きくはなくてこじんまりした街並みが続いていた。リキシャは前からくる車をギリギリの所で避け、たまに人をひきそうになりながらも自由奔放に街を走り抜けていく。
「はい、運転してみなよ」運転中に突然チャイがハンドルから手を離した。マジですか、どれだけ自由なの~あなたの国は。あとであとでと言いながらとりあえず断わる。途中で追いついたもう一台のオートリキシャを横目に見たら、運転手の横に座ったSちゃんが普通にハンドルを握っていた。インド人に負けじと自由な日本人発見。
その後はあちこちのお店に連れて行かれ、私とSちゃんは常に離ればなれで行方もわからず、なぜか別々にインド人と観光をしているという不思議な状況が展開される。時間は14時をまわり、いい加減そろそろお腹がへってきたのでクレームをつけると地元のレストランに連れて行ってくれた。ここでようやくSちゃんと再会。