3年間会えることないと思っていたけど、2年後に一緒に海の上にいた。世界の海の上で存在を越えて感じ取ることができたんだ。それだけでもう充分だなぁって思う。それにこの話はまだまだ続きそうだしね。たぶん、ホクレア号が世界一周から戻ってきた頃には何かしら見えてくるものがあるんじゃないかって気がする。私たちがこうして出会い続ける訳を、そこから見えてくる私の、アイデンティティーから繋がっていく未来の姿を。
ちょっと長くなっちゃったけど番外編、私とホクレア号の不思議な縁のお話…個人的なエピソードを通して、私がホクレア号から教えてもらった大切なことや、ハワイが持っている深い部分を少しでも伝えられたらいいなって思ったから、ちょっとした物語としてここに書いてみたんだ。ホクレア号による世界中の寄港地でのアクションは、深い文化交流や歴史・環境などの勉強会に留まらず、自然と共存して生きて行く術を実践から伝えるとても具体的なものだ。彼女たちのチャレンジは未来を真っ直ぐ見据えながらこれからも続いていく。
そして。このお話を通して「何かと繋がる面白さ」を伝えられたら嬉しいな。もしあなたが旅したことないなら、是非って言いたい。長い旅でもいいし、すごく短くてもいいんだ。なぜなら旅は遥かなる縁を繋ぐし、日常を客観的に見るにもとてもいい機会だから。いつもの場所を離れて遠くからいつもの場所を見てみる。日常では出会うことのない人と繋がる。そして改めて、自分自身を見てみる。
誰でも一度は思ったことがあるんじゃないかな、「自分は何のために生きているんだろう」って。
その答えは、正直わからないかもしれない。答えなんてないかもしれないしね。自分が腑に落ちるというか、大きく頷ける何かがあるとすれば、それはひとつの答えなのかもしれないけど。そういったことのヒントを旅が見せてくれる時もあるんだ。もし、人生つまんないなあって思ってるなら、私は迷わず旅をおすすめするよ。
色んな世界観、言葉、食べ物、音楽、生活…全く違うものを見て触れて、感じることの面白さ。色んな人々の姿を見て自分自身を見る。「私とは、いったい何者なのか」自分の足元からそれを知るためにも。
ホクレア号と私の物語はこれでおしまい。最後まで読んでくれてホントにありがとう。少しでも楽しんでもらえたなら嬉しいな。物語はまだまだ続くよ、生きている限り展開し続けるんだ。