この船の面白さは、多様性という所にあると思う。とにかく年齢も職業も様々、全国の色んな場所から「旅」というキーワードだけで繋がった人たちが集まってる。船の中には小さな共同社会ができ上がっているんだ。そこで日々の生活を送るんだけど、ある意味人と関わることになる。
イベントに参加したりご飯を食べたりする時、隣に座る。そこで初めて何かを話しかけたり、一緒に何かをしたりするんだ。そんなの煩わしいって思うなら関わらなくても大丈夫。どう過ごしたいかは選べるんだ、自分の行動次第だから。だけど、案外関わるのって面白い。それは旅の終わりに近づけば色濃く感じることになるよ。大きな家族のような感覚になるんだよね、一体感ってやつかな。
もちろんいいことばかりじゃないかも知れない。意見が合わなかったり迷惑かけられたりとかって、普段の生活でも普通にあることがここにもある。だけど何だろうね。最後にはホントに離れがたいんだ、色んな思い出ができちゃってさ。たくさんの想いを抱いた分、成長は大きい。それがギュッと圧縮されて心の中に残る。
違いを知ること、意見を言い合うこと、常識や個性、様々な世界観。楽しみを分かち合うこと、技術を教え合うこと、隣に誰かがいて、おかえりといってらっしゃいがいつもあること。
年齢によってできること、できないこと、そしてそれを補い合うこと…船上運動会なんかでは、そんな風景がわかりやすく見えるよ。みんな心から楽しそうなんだ。そんな面白さがこの船にはいっぱい詰まっている。そうやって盛りだくさんな日々を送っていたら、ホクレア号のこともどこか記憶の片隅の方にいっちゃってた。
だけど不思議なもんでさ。ある日突然ソワソワしてくるんだよね。あ、なんか…近いかもって。これって全くの感覚でしかないよ、調べてないしね。第六感ってやつかな。私は今までの人生、ほとんどこれで生きてきたから自信あるんだ。