店の通りを抜けて歩いていると、広い空き地でこども達がサッカーをして遊んでたんだ。そういえばここボカ地区は、有名なサッカー選手「マラドーナ」の地元。彼もこの広場でボールを蹴っていた時代があるのかな、ボールを蹴るこどもの姿にマラドーナのイメージを重ね合わせてみる。
そうだ、街を歩いているとマラドーナに出会うよ。写真を撮ろうと言われるかもしれないけど、撮った後にチップを求められる可能性があるということをお忘れなく。更に道を歩くと、さっき一緒に写真を撮ったマラドーナとは別の、もうひとりのマラドーナを見かけることもあるかも。
どこの国でも観光地の中心だけがザワザワと賑わっている。そんな街中を一歩外れると、ふいにのんびりとした風景が広がっていたりするんだ。そういった場所から日常が垣間見れたりもするから、私は結構好きなんだけどね、そんな風景もさ。
休憩中なのか、ダンサーたちがお店の壁にもたれてお喋りしていたり、おじさんたちが椅子に座ってゆっくりしていたり。眩しい日差しの中を、喧騒からどんどんと離れて行く感覚も心地いい。
そんなブエノスアイレスのボカ地区を後にして、フロリダストリートに移動しようという話になり。電車を使って移動したんだけど、そこでちょっと面白いものに遭遇したんだ。
友人と乗り込んだ車両には結構いっぱい人が乗っていて。ほぼ満席状態の中、私たちは普通に座ってお喋りしてた。そう、最初からなんだか気になってはいたんだよね、ドア付近で小さなダンボール箱持った20代くらいの背の低い男の子。漂う雰囲気がちょっと挙動不審というか。でも気にしないで友人とお喋り続けてたら、彼は突然行動し始めたんだ。