ビースボートの船旅であちこち迷走したHinataの旅物語、「Peace on the Boat trip」。
笑いありハプニングあり、ちょっと不思議でほんわか緩まるHinataワールドへようこそ。
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濃厚な刺激!マテ茶・ステーキ・そしてムヒカ大統領
モンテビデオの街に出かけてみる。まだ早朝とあって道を行く人もまばらだ。さっきまで雨が降っていたらしく道路は濡れてしっとりと黒く、薄っぺらい雲が淡い水色の空にぼんやりと広がっている。
街は今起きたよと言わんばかりに、閉まったベランダの戸がポツポツと開き始めていた。開店前のお店の前に座って新聞を読むおじさんの姿が、モンテビデオのいつもの朝を漂わせている。
人がほとんどいない街中をどんどんと進んで行く私たち。新聞や雑誌を売る小さな売店が、アパートの両開きの扉の前にちょこんと立っている。くすんだ赤色の扉は片側だけが開いていて、手前にはひとり掛けの小さな椅子がポツンと置いてあるのがいい感じ。それだけで、ひとつの物語が見えてくるような風景だ。
トラックが一台、近くに止まった。荷台にはお店に届ける為の野菜が山盛りに積まれていて、野菜を下ろすお兄さんたちの周りにだけ活気ある空気が流れている様子。こちらを振り返って笑顔で「おはよう」の挨拶をしてくれたんだ、それだけで街の一員になれたような気がして何だか嬉しい。
歩いていたら公園にたどり着いた。そこではどうやらマーケットが開かれるようで、準備が始まっていた。本や古道具、お土産物のマグネットやら手作りものなどが、テーブルの上に少しづつ顔を覗かしている。ぐるりと物色しながら一周していると、キューバのお金が売られているのを発見したよ。
革命家チェ・ゲバラの絵が描いてあるキューバの紙幣、3ペソ。よく考えると不思議な数字だよね、3ペソって。使い勝手はよかったんだろうか謎なんだけど、この紙幣が出回っているんだ。軍事政権時代を経て、民主化の道をたどったウルグアイ。国民投票によってその体制が変化したこの国と、チェ・ゲバラとはどこかシンクロする部分もあるのかも知れないね。
大きな広場があると思ったら、そこが「独立広場」だった。ここを境に旧市街と新市街が分かれているんだ。今まで歩いてきた古い雰囲気の街とはうって変わって、新しくて大きなビルが立ち並ぶゾーンに入っていった私たち。急に都会に飛び出してしまったようでびっくりしたよ、こんなにもハッキリと違うんだなぁと辺りをキョロキョロと見回す。
…と思ったら道端でチェスをやってるおじさん達を発見、何だかほっこりしてしばらく眺めてみる。大通りの横の通路に小さな机を出して真剣勝負をしてるふたりの姿は、都会であってもモンテビデオの素朴な日常を感じさせてくれたんだ。