ビースボートの船旅であちこち迷走したHinataの旅物語、「Peace on the Boat trip」。
笑いありハプニングあり、ちょっと不思議でほんわか緩まるHinataワールドへようこそ。
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そして事件は起こった…彼がそこに隠し持っていた物は!?
この日の私たちの観覧席は、向かいに審査員が座っているちょっと特別な席だったんだ。スタート地点からすれば距離的にはたぶん、ひとチーム90分あるパレードで60分程経った頃の地点。スタートからテンションが徐々に高まって、最高潮に達してダンサーもちょっと疲れがきてるけど、エネルギー振り絞って最後まで踊りきってやる!みたいな全開ポイント。それだけに見ている側も引き込まれるよね、その剥き出しの姿に。
優勝候補のチームが登場すると、会場の盛り上がりはいきなりピークに達した。感極まったかのように声援が飛び交う中、チームのテーマソングが流れ出すと誰もが揃って歌いだしたんだ。そしたら自然に、今までバラバラに飛び交っていた音がスーッとひとつにまとまってきて…あまりの凄さに全身に鳥肌が立ってしまう。
共感する時って、人と人が心の深くで繋がっている瞬間だと思うんだ。これだけの人数で、国も言葉も越えて同じものを見て同じことを感じられる、そんな場所って世界を探して回ってみてもなかなかないよね。特にここには世界各国から見にきている人が集まっていて、もちろん世代も越えて全ての人が楽しんでる。誰一人悲しんでいない、楽しさと喜びに満ち溢れたハッピーな空間。
そこにあるのは、リオに住む人たちの体から湧き上がる純粋な踊りと、生まれ育った土地や歴史に対する感謝の思い。何かそれってさ、祈りに近いようなものじゃないかなって気がする。そう思うとこの会場で起こっていることは、圧倒的に凄いできごとなんだ。リオのカーニバルの真髄ってここにあるんだなあって、そう感じたよ。
今日ここに出演しているダンサーたちはブラジルで日々、決して裕福ではない生活を送っている。そしてここに出演するために掛かる費用はかなり、いや相当のものだ。だけどそれでも、彼らはこの日ここに来て表現することを心から大切にしている。今日という日を彼らはどのくらい待ち望んでいたんだろう。だからこそのこの半端ないエネルギーなんだね、きっとさ。純粋な思いに突き動かされた人々の集団は、驚くほどに凄いことをサラリとやってのけてしまうんだ。