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インタビュー
2016/04/20
INTERVIEW Vol.3
志摩 浩子
SHIMA Hiroko

「世界一周なんて誰でもできるよ」
富士山の山小屋で聞いた一言から旅へ
(1/3)

PROFILE
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志摩 浩子
[カフェスタッフ]
山形県出身。2012年、第77回クルーズに参加。世界一周ののちにオーガニックに興味を持ち、自然食レストラン「デイライトキッチン」で働く。インストラクターとしてヨガのワークショップを開催するなどの活動も同時におこなう。
保育士として地元の山形で暮らしていくはずだった志摩さんの人生は、山小屋で聞いた一言により大きく変化した。シェアハウスでの生活、生涯の友達との出会い、アウシュヴィッツ訪問。志摩さんを変えたさまざまな出来事を振り返る。

保育士の仕事を辞めて向かった世界一周

世界一周の旅へと出発するきっかけは、人それぞれだ。定年退職、時間に余裕のある学生のうちの思い出づくり、失恋、自分探しなどなど。それこそ、乗船者の人数分だけ、きっかけや動機があるだろう。志摩さんの場合は、富士山の山小屋での出会いがきっかけだった。
志摩「大学生の頃、夏休みに富士山の山小屋でバイトをしてたんです。バイトに来てる人は屋久島でツリーハウスに住んでいたりとか、ちょっと変わった人が多かったんですが、その中にピースボートの過去乗船者がいたんです。世界一周なんて凄いねー、と彼女に言ったのですが、その返事が衝撃でした。『世界一周なんて、誰でもできるよ』って。当時の私の感覚では世界一周って夢みたいな話でしたけど、だんだん『そうか…、行けるのか…』と身近に感じましたね。」
バイト仲間の一言で、志摩さんの意識は世界一周にグッと近づくものの、保育の大学に通っていた彼女はそのまま卒業、就職という道を進み、保育士としての生活を始める。
志摩「2年間、地元の山形で保育士として働きました。1年目は保育園で働き、2年目は子育て支援センターで地域の子育てをサポートしていました。」
子育て支援センターでの活動は非常に充実していたとのこと。だが、彼女は2年で保育士として働くことをやめ、世界一周旅行へと出発する。
志摩「そのまま子育て支援センターで働きたかったのですが、私のポジションは毎年担当者が変わるらしく、続けられなかったんです。それで、この好きな職場を離れなければならないなら、思い切って密かな夢だった『世界一周』に行ってしまおうと決心しました。」
『いつか世界一周をする』という思いは、山小屋で過去乗船者の話を聞いたときから抱いていたが、仕事が充実していたこともあり、まだ、遠い先の話だと思っていた。その思いを共感する仲間もいなかったため、漠然とした夢に近いものであったのだろう。それが職場環境の変化をきっかけに、一気に具体的な予定へと変化する。
志摩「行こうを決めてからは早かったですね。子育て支援センターでいっしょに働いていた先輩や保育園の園長先生の『若いんだから好きなことにチャレンジしなさい』という後押しの声もあったので、すぐに世界一周への準備にとりかかりました。」
地元の山形を離れ、ピースボートセンターのある東京で暮らし始める志摩さん。出発までの間、クルーズ乗船を目指す人が集まるシェアハウスで暮らしていたそうだ。
シェアハウス
東京のピースボートセンターでポスター貼りなどのボランティアに参加したいが、地方在住のために通えないなどという人が集まるシェアハウスがある。ピースボートのスタッフや、ボランティアスタッフが暮らしており、同じクルーズに参加する人と乗船前に仲良くなることも多い。
志摩「シェアハウスの生活は楽しかったですね。毎日なんだかんだとアツく語りあってました。みんなでいっしょに映画を観て、その映画のテーマについてとか。これからの若者の生き方について、なんて話もありました。世界一周を前にして気持ちが高まっていたので、それこそ何にでもアツくなってましたね(笑)。」
このシェアハウスとピースボートセンターを拠点に、志摩さんはボランティアスタッフとして日々ポスター貼りに励む。
志摩「働きに応じて旅費が割引になるボラスタ(ボランティアスタッフ)というものがあって、私はポスター貼りをしていました。この東京での出発までの2ヶ月半も本当に楽しくて、あっと言う間でした! 世界一周という同じ目標に向かっている仲間といっしょに頑張っている感じが何とも言えず、とても充実していましたね。」
東京で暮らし始めてすぐの飛び込み営業。慣れないうちは苦労も多そうな気がするが、志摩さんは最初からずっと楽しかった記憶しかないとのこと。どうやら彼女にはポスター貼りが向いていたようで、何と99万円の旅費のうち、97万円の割引を達成したそうだ。つらいことはなかったですか、と聞くと「夏だから暑かったですね。でもダイエットになって良かったです!」との返事が返ってきた。おそらく、本当に毎日楽しい気持ちでいっぱいだったのだろう。
ボランティアスタッフ
居酒屋など街でよく見かけるあのポスターは、クルーズ乗船予定のボランティアスタッフが貼っている。他にもカンボジアの地雷除去のための街頭募金、世界各地に届ける支援物資集めなどのボランティアがあり、自分に合ったものを選択可能。この制度により、お金に余裕のない若者でも乗船しやすくなっている。1回のクルーズで10名ほどは、全額割引まで到達する強者がいるらしい!

「いつか」の世界一周がいよいよスタート

2012年8月24日15時。旅立ちにふさわしい晴天の中、シェアハウスやボランティア活動で得た仲間たちとともに、『いつか行く』と思っていた志摩さんの『世界一周旅行』が現実にスタートする。
志摩「船の上はもう『わぁーっ』って感じで、毎日がお祭りみたいでした。イベントとか、乗船者の自主企画とか目白押しなんで、ホント楽しかったですね。」
数百人単位の人が集まる運動会のような大規模イベントから小さな自主企画ものまで、船上では毎日のように多くの催し物が開催される。何かしらの役割を持った係のようなものもあり、普段交わることのない人たちが、こうしたイベントで交流を深めることができるのだ。
もちろん参加不参加は自由。デッキでひとり海を眺めて過ごしても、誰にも文句を言われはしない。志摩さんは、企画の告知や乗船者インタビューなどを掲載する船上新聞にて、イラストを描いていたらしい。他にも小さな自主企画イベントにいくつか参加しており、「双子集まれー」は共感できる話がいっぱいできて楽しかったですね。私、双子なんですけど、あんまり普段は他の双子の人と話す機会がないんで新鮮でした。』とのこと。このように、世界一周の間は船上でも多くの思い出をつくることとなる。
自主企画
ピースボート側が主催する企画以外に、乗船者の発案でおこなわれる企画も多い。船上生活におけるルールさえ守っていればそこに決まりはなく、『いっしょにバンドやろうぜ!』や『九州人集まれ!』など多彩な企画が開催され、中には『壁ドン選手権』のような変わり種も…。とにかく集まっていっしょに何かしようということなので、普段は接点のない人とでもコミュニケーションがとれる場として便利。
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