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インタビュー
2016/07/07
INTERVIEW Vol.09
室井 舞花&恩田 夏絵
MUROI Maika ONDA Natsue

「私もバイだと思うんだ」同性婚カップルが話すピースボートライフ【後編】(2/3)

東京都庁展望台で盛大に結婚パーティをした理由は…?

――結婚パーティは2013年6月、なんと東京都庁で開いたそうですね!
室井 45階がカフェで借りられるんですよ。ぶいちゃんは付き合った当初からずっと、結婚パーティーをしたいと言っていて。「ウェディングドレスを着たい」という理由で。
恩田 着たいじゃん!(笑)。
――ずいぶんたくさんの方がいらっしゃっている上、ナチュラルで素敵な雰囲気ですね。
室井 いろんな友だちに手伝ってもらったんですよね。装飾や受付、司会、会場までの誘導などをしてくれたのも全部友だちという手作りパーティーでした。
恩田 高砂も友だちにつくってもらったんです。音響はそれこそ(当サイトも担当する)大畑さんにも協力してもらいました(笑)。
室井 ほぼピースボートの人たちにやってもらったっていう。
恩田 あと、都庁は付き合うきっかけになった場所なんですよ。
室井 都庁で結婚パーティーをした同僚夫婦がいて、ふたりとも参列していたんですけど、そのパーティーを機に「ちゃんと向き合って生きていきたいな」と思ったことが付き合いはじめるきっかけだったので。スタートの記念の場所でもあるから。
結婚式は、自分たちの未来のために、いっしょにパートナーとして生きていきたいんだとオフィシャルに伝えるための方法であると同時に、実は私は結婚式をしたくなかったので(笑)、もしやるならば誰かのためにということも考えていました。
できるだけたくさんの友人を呼んで、その人たちが「女の子同士の結婚式に行ってきたよ」と誰かに伝えることで、ひとつの社会運動にもなるのかなと。すごくパーソナルなところから始まる社会の変化につながるのかなと思ったので。
恩田 あとは、セーフティーネットづくりという意味もありました。法律で認められた関係にはなれないので、せめても自分たちの身の回りの人には理解してもらうことで、万が一なにかあったときに備えようっていう思いもありました。

初の著書『恋の相手は女の子』を出版してのジレンマ

――さて、お二人はさまざまな活動をされています。まず、室井さんは2016年4月に初の著書『恋の相手は女の子』を上梓され、さらに社会的に発言を求められるような立場になったのでは。普通にお仕事をしながらも、一方でメッセージの発信者として注目される。それを受け入れられたのはいつごろですか?
室井 今でも人前に出ることには、ためらいがありますけどね 。
――そうですよね、仕事もあるし…。
室井 いえ、休みがなくなるということじゃなく、むしろずっと罪悪感との戦いなんですよね。
――えっ、罪悪感とは?
室井 私は別に、同性を好きになるという性的指向を選んではいないんですよ。自分が自分であるという、ひとつの特徴というだけでこんなに思いを伝える機会をいただいていいのかなと。
ただ、私が話すことで、ひとりで悩んでいる人が、何かを耐えられるようになったらいいなって。背中を押すほどではなく、ただ単純に「生きていけるよ」ということを伝えたくて続けています。でも毎回「私でいいのか?」とも思いますけどね。
――なるほど、自分にとっては普通のことだからジレンマなんですね。
室井 去年はメディアに出ることも多くて、ピークでしたね。よく記者の方に聞かれるのが「同性愛者として今までで何がいちばん辛かったですか?」ということ。そのたびに自分の苦い記憶を話さないといけない。そのことを引き受けてはいるけど、楽なことではないです。話の中には私以外の人も登場するので、その人たちへの申し訳なさもあります。きつい言葉をかけてきた友人も、偏見のある発言をした先生のことも、嫌いではない。だから、その人たちの一部の言動だけを切り取って話すことにためらってしまう。
――ただ、著書のおかげでつながりも拡がったそうですね。
室井 高校の時の先生から連絡があって、秋に地元でその先生も含めた教員向けの講演をすることになりました。連絡をもらった時は、ようやくかつての自分と今がつながったなぁと感じましたね。ただ、この話題を地元に持って帰るのは、勇気がいるんですけど(笑)。
10代の読者からの反響もありました。最も届けたい世代だったので、「ああ、届いたんだ」って胸が熱くなりました。こうやって反応があると、自分なりに続けてきた意義があるのかなと思います。
もちろん、多様な性を生きる人たちが、それを理由に身の危険を感じることなく、権利を保障されてる社会がくれば、そもそも私のこういう活動も必要ではなくなる。そうなることが、一番いいですけどね。
――もうひとつ、『セクシュアルマイノリティとその周辺を写し出す』をコンセプトにした写真展「Love is Colorful」も主催されていますが、動機は何だったのですか?
室井 日常って、こっちがセクシュアルマイノリティの当事者、あっちが非当事者ってなってるわけじゃなくて、いろんな人がすでにいっしょに生きている。その日常を生きる姿を写し出したかったというのが最初の動機です。たとえばレズビアンの中にもいろんな人がいる。誰を好きになるか、ならないか、自分の性別をどう認識しているかって本当に多様なんですよね。
多様な性を生きている人の姿をひとつでも多く、身近な存在として伝えたい。それがこの写真展「Love is Colorful」のコンセプトになっています。
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