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インタビュー
2017/02/10
INTERVIEW Vol.13
日月 美輪
HIDUKI Miwa

世界中で出会った絵が、画家としての迷いを断ち切ってくれた(3/3)

世界各国で出会った絵が、悩みから開放してくれた

日月 いろんな所でいろんな絵を見るうちにたぶん作家さんは「このフォルムが◯◯で◯◯を表現して…」と計算しているんじゃなく、シンプルに自分の描きたいものを描いているんやなって感じて。デッサンなんかも気にしてないから、私の先生からはダメ出しされそうな絵ばっかりやったけど(笑)、私はそんな絵を素直に面白いと思ったし、心に残った。そういうノビノビとした部分に人は惹かれるんだろうと感じました。
 
そしたら、「私はなんでルールばかり気にしとったんやろう」って気づいたんです。日本に帰ってきてからは、私が描きたいものを描いたらいい、何でも好きなものを描けばいいと思えるようになってました。絵自体はそんなに変わってないけど、絵を描く時に迷いがなくなりました!

――ダメ出しする先生も頭の中からいなくなった?

日月 そう、解き放たれた(笑)! 前よりは自分に対してもゆるくなりました。「こんな絵じゃアカンのに~!」って感じだったんですけど、必要以上に自分を責めなくなった。もちろん、まだまだ作品の完成度は甘いなとか思いますけど、去年より遥かにハッピーな制作ができています。今なら、先生の言っていた意味もちゃんと理解できて、その上で“自分は自分で良いんだ”と思えるようになったかな。
 
伝えたいことを伝えるために、誰しもに与えられた原始的で基本的な手段として、どんな国にも絵があるんやと思う。だから、あまり難しいことを考えずに素直に描けばいいと今は実感しています。

――そんなに大きな気付きがあったとは、本当にいいタイミングで行けたんですね。

日月 めっちゃそう思います。私、やっぱり去年は“ツイてた”なって(笑)。

 

予測がつかないことに確実に出会う!

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――「奇想天外(ウェルウィッチア)」という珍しい植物を描いた作品は、コンクールで大賞を獲得していますよね。なんと実際にご覧になったとか!

日月 旅で見て描いた絵で大賞、とかだったらかっこいいんですけど、逆なんです(笑)。でも、まさか本物を見に行けるとは思ってなかった!

――どこで見たんですか?

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日月 アフリカにあるナミブ砂漠です。面積は5km以上で、オレンジ色の砂丘が連なる姿は、地球の光景とは思えへんかった! あんな場所に自分が行けるなんて……。ホンマにどこまでも何もないんです。今まで生きてきて、あそこまで何もないところは見たことがなかったし、「ああ、世界にはいろんなところがあるんだな」って、静かに素朴に感じました。「砂漠や…!」って(笑)。
 
今まで鳥取砂丘しか行ったことなかったけど、本物は比べ物にならないですね(笑)。そんなところにポツンとある、干からびたワカメの山みたいな奇想天外(ウェルウィッチア)が1000年も2000年も生きる植物だなんて、本場の景色と相まってすごく感動しました。

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日月 でも砂漠って歩きにくい! どんどん足が沈むし、靴下の中まで砂だらけになるし。旅のために買ったいいカメラを砂から守るのに必死でした(笑)。

――そんな風景を見たら制作意欲が湧きそうですね! 早く帰って描きたくなりませんでしたか?

日月 なりました! 感じたことは忘れないように絵に起こしておこうって、船ではずっと描いていたんですよ。絵の具も一応持って行っていたし、見てきた風景や感情を覚えておいて、その日の夜なんかにドローイングしてたんです。

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――本当に楽しそうな旅ですね!

日月 行ってよかったと思うことしかないですね。世界各国のイケメンにもいっぱい出会えたし(笑)。画家として大きく成長できたのはもちろん、世界で集めたお土産や巻物にしたためた日記は一生モノの思い出になっています。ただ、ギリギリの貯金で行っちゃったので、帰って来て一文無しスタートだったけど(笑)。

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――そんなに思い切って旅に行けるなんて、若いっていいですね~(笑)!人にもオススメしたいですか?

日月 絶対すすめたい! 予測がつかないことに確実に出会うから世界が広がる気がする。ホンマみんな行った方がいいと思う(笑)。

――ピースボートの旅の経験を踏まえて、画家としての目標はありますか?

日月 今年の自分の目標は、「絵の仕上がりに一喜一憂せず、とにかく作品の数をたくさん描く年にする」ことだったんです。これまでは「この表現で良いのか?」という絵の質にこだわってきたんですが、これからは、周りに良いと言われようが悪いと言われようが、とにかく自分の描きたいものを素直にどんどん描いていくことに挑戦しようと思っています!

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(取材・文/明知真理子 写真提供/日月美輪、デッキ編集部)
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