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インタビュー
2017/02/10
INTERVIEW Vol.13
日月 美輪
HIDUKI Miwa

世界中で出会った絵が、画家としての迷いを断ち切ってくれた(1/3)

PROFILE
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日月 美輪(日本画家)
大阪府出身。大阪・東京を中心に、意欲的に作品を発表している。直近の個展は大阪「ギャラリーいろはに」にて2017年4月28日~5月10日まで。2015年12月~2016年3月の第90回クルーズに乗船。
日月美輪オフィシャルサイト
日月美輪オフィシャルfacebookページ
日月美輪さんは将来を期待される若手の日本画家! 大阪・東京の個展・グループ展で、積極的に作品を発表しています。そんな日月さんにとってのピースボートは、作品を描く上で欠かせないものだったよう。
おとなしそうな和風美人かと思いきや、話すとコテコテの関西弁! 軽妙な語り口で、旅の思い出に加えて等身大の作家活動についても話してくれました。

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働くために絵をやめるのはいやだった

――昔から絵を描くのが好きだったんですか?

日月 小学校の時から「クラスに1人いる絵のうまい地味な子」でした(笑)。私も絵を描くことが好きだったし、クラスで旅のしおりなんかを作る時には必ず私が担当になる感じでしたね。中学ぐらいから「絵描きと呼ばれる人ってかっこいい」と思うようになって、高校か大学は美術系に進学しようと決めました。

――ずいぶん早くに将来の夢が固まったんですね。

日月 私には普通の会社員とかはできないだろうと気づいていたし(笑)。それで実際に大学で本格的に美術をやってみて、本当に楽しくなったんですよ。

――京都嵯峨芸術大学第42回制作展・芸術研究科賞 受賞を皮切りに、第19回アートムーブコンクール 大賞、神戸ビエンナーレ2015 ペインティングアートコンペティション準大賞など、受賞歴がすごいですね。

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神戸ビエンナーレ2015 ペインティングアートコンペティション準大賞 受賞作品

 

日月 肩書がないとダメやなって思ったのもあるし、作品を制作する時に締め切りが欲しいというのもあって。公募展に作品を出すことを嫌う人もいるんですけど、私は「戦いたい!」って思うタイプなので、どんどん出展していました。

――“戦いたい”とは、画家としてやっていくという覚悟がビシビシ伝わります! でも絵を描き続けるには、困難も多いのでは?

日月 私の親はまだ理解がある方だったから良かったですが、友達には親に就職するように言われて絵を辞める子もたくさんいて。確かに就職した子たちと比べると、遥かにお金がない状況なんですけど(笑)。
 
ただ、働くことは好きだけど、働くために絵を辞めるのは嫌なんです。絵を描いていない時間もアイデアがどんどん浮かんでくるし、「明日も仕事が朝早いから」って作業を中断するのも嫌で。だから収入は不安定でも、もう他の仕事はせずにやっていこうって決めて、最近バイトも辞めたところです!

相反するものをひとつにできる作家名を探そう

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――「日月美輪」って珍しい名前ですけど、もしかしてペンネームですか?

日月 はい。モチベーション的に作家用の名前が欲しくて。

――その名前にはどんな思いが込められているのですか?

日月 私は昔から、暗い絵も明るいきれいな絵も同時に描いてきたんです。大学でも先生と「どっちが描きたいねん?」「いや、どっちもやりたいねん!」ってやりとりをするくらい。だって、誰にでも明るい気持ちと暗い気持ちがあるし、そのどちらの気持ちにも寄り添いたいんですよね。
 
その気持ちを後押ししてくれたのが、村上華岳という日本画家の考えが書かれた『画論』という本で。その中に“絵というものは静であり動であって、相反する要素をひとつにできてこそ一人前だ”というようなことが書いてあって、「これやん!」と。

――気持ちを代弁してくれる言葉に出会ったんですね!

日月 それを完結にまとめられるような、相反するきれいな単語を探そうと、白と黒とか、朝と夜とかいろいろ考えている時に、オカンが「友達に“日月”ちゃんっているんだけど、良くない?」って言いだしたんです。「それやん!」って(笑)。
 
しかもそれを、近所の有名な姓名判断の先生に見てもらったら、「人の縁は増えるし、描けば描くほどお金も稼げるし、絵描きをやるにはピッタリの名前だ」と言われて、もうドンピシャだったんですよ(笑)。さっそくそのアーティスト名を書いた紙を部屋の壁に貼って、毎日眺めてました!

――そうやって画家としての環境を、自分で整えていったんですね。

 

行くと決めたらミラクル連発!? 本気で絵を売ろうと向きあった4ヶ月

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――さて、2015年にピースボートに乗るわけですが、なぜピースボートを選んだのですか?

日月 安かったからです。例えば自分でブラジルに行くにはすごくお金がかかるけど、100万円で約20カ国も行けるし。すごく気に入ったところがあればまた自分でいけば行けばいいという感じで。実はバックパッカーも考えたんですけど、「女の子なんだからひとりで旅するなんて」と親に止められて(笑)。ピースボートなら旅行会社が手配していて安全だからと親を説得できたんですよ。

――旅行会社の手配なら、親としては安心かもしれませんね。

日月 あと「新しい人と出会いたい!」っていうのも大きな理由の一つでした。絵を描き続けていると、「まだそんな夢みてんの?」って言わることもあるんです。でも、ある程度の年齢で「仕事を辞めて海外に行こう!」なんていう、ある意味クレイジーな友達ができたら絶対に楽しいと思うし、そんな人達が集まる場所なら、いいエネルギーや刺激を貰えそうだと思ったんです。

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日月 ちなみに、ちょうどその時に人間関係でもいろいろあって「あ、海外に行こう」と(笑)

――幸か不幸か絶妙なタイミングですね(笑)。

日月 でもお金がなくて。行こうと思い立ったのは6月の初めで、出発はその年の12月。旅費に加えて、旅の間の家賃も払わないといけないのに、当時貯金は30万円もなくて・・・。そんな時「頑張って絵を売ってみようかな」と思い立ったんです。
 
そう決意してからは、なぜかすごいことが重なって。公募展で大賞をもらったり、奇跡的に大きめの絵が売れたり、ほかにも注文を貰えたりして、なんと目標額が貯まったんですよ~!

――すごい! 旅に出ると決めたらすべてが動き始めた!?

日月 自分でも去年は「引いた」年だったなと(笑)。60歳くらいになっても「いや~、あの年は“ツイてたなぁ”」って振り返ることができるような年でしたね。

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