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インタビュー
2020/07/03
INTERVIEW Vol.23
相川怜美
AIKAWA Reimi

シンガポール、そしてバンコク。国を超えて教育者であり続ける理由。

PROFILE
1.プロフィール
相川怜美
小学校教諭。大学在学中にピースボート第70回クルーズ(2010年8月〜2010年10月)に参加。
日本の小学校やシンガポールの日本人学校を経て、現在はタイ・バンコクのインターナショナルスクールの教諭として働いている。
小さい時から保育士に憧れを持っていたという相川さんは、大学生時代にピースボートに乗船。その後、国内に留まらず海外の教育現場でも働いています。グローバルに活躍する相川さんが日本だけでなく、海外で教育者としてあり続ける理由とは――。

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社会を知らない人間が先生をやっていいのか疑問だった。

―日本国内に限らず、海外でも教職についている相川さんですが先生になるきっかけってなんだったんですか?
相川「母親が保育士をしていたこともあり、小さい時から保育士に憧れを持っていました。保育士の資格が取れる大学に進学したのですが、そこは小学校の教員免許も取れる大学だったんです。それなら教員免許も取ろう!と思って行った小学校の教育実習が予想以上に楽しくて。そこから小学校の先生になりたいと思うようになりましたね。」
―相川さんは大学生の時にピースボートに乗船されていますが、教職課程はよく大変と聞きます。なぜ在学中に地球一周に行こうと思ったんですか?
相川「小学校の先生になりたいとは思ったものの、卒業してすぐ先生になることに違和感を感じていたんです。社会を知らない人が子どもを教育していいのかなって。そんな時、久しぶりに会った友達が、『今度ピースボートで世界一周に行くんだ!』と言うのを聞いて、ピースボートの存在を知りました。元々船旅が好きだったのと、ちょうどその頃人間関係に悩んでいて、少し大学生活が嫌になっていたのも理由の1つです。あとは、70回クルーズに、乗船前から本を読んで知っていた自由人・高橋歩さんが水先案内人として乗船されるということを知って、絶対に70回に乗りたい!と思いましたね。」
―地球一周に行くまでに何か困難なことはありましたか?

相川「特に大学への説明と費用の工面は大変でしたね。
私の通う教育学部は休学が一般的ではなかったので、教授に『そんなの前例がない!』と怒られました。『これから前例を作るんです!』って言い返したんですけどね(笑)。(結果、夏クルーズ(夏休みの期間+学期始め)だったので、授業はなんとかなりました!)
行くとは言ったものの、当時はお金もなかったので、ボランティア割引を貯めるためにピースボートセンターに通ってポスター貼りをしていました。」
3.大学時代
 

興味が広がった地球一周。

―船内ではどのように過ごしましたか?
相川「船に乗る前から水先案内人・高橋歩さんの乗船をすごく楽しみにしていたので、水パ(水先案内人のお手伝い)をやったり、教育や子どもに関する講義には積極的に参加しました。他にも、作品を創り上げていく過程の中に様々な教育的価値(自己表現の大切さ、チームワーク、挑戦力、異文化への理解...etc)を感じ、ミュージカルやエイサーに出たりしました。
実際に、そこで得た経験を、今は教育の現場で生かすことができると考え、ロールプレイング(役割演技)を積極的に取り入れています。

4ミュージカルライオンキング


―寄港地ではどのように過ごしましたか?
相川「寄港地はツアーを取らずに自由行動がメインでした。ただ、絶対に行きたかったツアーは参加しました。カンボジアの地雷除去や女性の活躍を応援するNPOのツアーでは世界レベルの社会問題をこの目で見て、自分にもできることはないかと考えるようになりました。またキューバの無農薬栽培のツアーを通じ、日本の素晴らしい給食文化を支えている農業や水産業にも凄く興味が湧きました。ここで持った興味が、後に北海道や日本中の農業や漁に携わったきっかけでもあります。」

4.寄港地キューバ
 

大阪での教員生活を経て、単身シンガポールへ。

―大学卒業後はそのまま先生に?
相川「大学卒業後は、もっと色々な国に行ってみたい気持ちもありましたが、奨学金の返済もあるため就職を選択しました。そこで、企業で働くという社会経験を積んでから子どもたちの前に立ちたいと思い、一般職につきました。タイミングを見て退職した後、大阪の小学校で働き始め、小学校の先生になることが叶いました。ずっとやりたかった教員の仕事はもちろんやりがいでいっぱいだったけど、目の前の子どもたちに対して、興味あることを続けたり、挑戦を続けている大人でありたいと思っていたので、旅は続けていました。その結果海外で働きたいという想いが強くなっていったんです。
それから大阪で働き始めてちょうど2年経つ頃に、青年海外協力隊が募集していたベリーズとシンガポールの日本人学校教員の枠に応募しました。ありがたいことに両方採用の連絡を頂いて、悩んだ末にシンガポールで働くことにしました。」

5.シンガポール


ー念願の海外で働くことになったアイカワさんですが、シンガポールで働いた後に、フィリピンのセブ島に留学したと聞きました。どうしてですか?
相川「就職先が日本人学校だったこともあり、そこまで英語ができなくても特に支障はなかったんです。だけど音楽やスイミングを教える同僚達(現地の先生)と思ったようにコミュニケーションが取れなくて。それが悔しくて、1度しっかり英語を学ぼうと決意して、セブ島に留学しました。」
ーその後再び日本へ?
相川「はい。フィリピンのセブ島で英語を勉強しながら孤児院を訪問したり、ストリートチルドレンをこの目で見たりする中で、ふと、自分は海外ばかりに目を向けているけど、日本について何も知らないなって思ったんです。なので、1度日本に帰って自分の国についてもっと知ろうと思いました。」

5.セブ
 

再び船へ。そしてタイ・バンコクへ。

―日本に帰ってからは何を?
相川「2年前に1度、ピースボートにお仕事で乗船させていただける機会があって、そこで今のパートナーと出会いました。その後、お互い日本で働いていたのですが、ある時パートナーから『実はタイで働きたいんだ。』と言う話をされたんです。私が海外で働いた経験があったことも知っていたので、相談しやすかったんだと思います。いい機会だし私も行く!とすぐに返事をして、タイ・バンコクのインターナショナルスクールの試験を受けました。
無事内定を頂けた時は仕事が決まって安心したのと同時に、自分の英語力が認められたことが素直に嬉しかったです。」
―いろいろな事に挑戦したり、経験している相川さんがそれでも教育の場に携わるのは何か理由が?

相川「これまで自分が行ってきた経験などを子どもたちに還元したいっていうのもありますし、教育を通じて少しでも世界の現状を知ってもらいたいなと思っています。
カンボジアのツアーに参加した時、社会問題が身近になり自分にもできることはないかと考えるようになったと同時に、問題を解決するために私1人にできることは限られてるなって思ったんです。だけど、自分ひとりではどうにもできない問題も、例えばクラス担任をした時に受け持つ35人の子どもたちや、これから出会う子どもたちにも世界の現状を伝えることで、その子たちがさらに他の人に広めるという連鎖を起こせるなって。そうやって、知っている人を増やすことが、社会問題解決のために私ができることだと思っています。」

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―今後の目標などはありますか?
相川「目標は2つあって、1つは「教え子と繋がり続ける事」です。私は「子どもの憧れとなれるような大人」でい続けたいと思っていて、そのためには、子どもたちとも継続的に繋がっていく必要があるなと思いました。だから、毎年年賀状を書いたり、スマホを買った子とは連絡先を交換したりしています。生徒は毎年私の年賀状がどこの国から届くかが1つの楽しみになっているみたいです(笑)。
もう1つは、「児童養護施設を支援するような団体を作る事」です。フィリピンから帰ってきて再び教員になった時、児童養護施設から通っている子の担任をもつことがあり、自己肯定感の低さなどの問題を目の当たりにし、何かできることはないかと考えるようになりました。今日本って少子化が進んでいて、そもそも小学校に通う子どもが減っているのに、児童養護施設の子ども数は増え続けているんです。そんな子どもたちのために、まだ漠然とですが、子どもたちが大人になっても一生付き合っていけるような仲間ができる場所や機会を作っていきたいなと思っています。」
―最後に、これから地球一周に行こうと思っている人や、迷ってる人に一言お願いします。

相川「旅が自由にできる時代に生まれた私たちは本当に幸せだと思います。親世代とかにわかってもらえないこともあるかもしれないけど、1歩踏み出してみたら絶対に人生の選択肢が増えると思う。ちょっとくらい行きたい気持ちがあるなら、理由なんか説明できなくてもいいからいいから行ってみるべき!!」

4.寄港地

(取材・文/古池 祐二郎 写真提供/相川怜美)
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