ピースボートデッキ > COLUMN > スエズ運河はどこの国にある?スエズ運河の通行料を日本円で換算!
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コラム
2021/10/04
スエズ運河はどこの国にある?スエズ運河の通行料を日本円で換算!

 

 

ゆっくり時間をかけて移動をする船旅ならではの魅力はたくさんありますが、その中でも「これぞ船旅!」という気分を満喫できるもののひとつに「運河の航行」があります。ピースボートの世界一周クルーズでは、一度の航海でスエズ・パナマと世界三大運河の内のふたつを体験できる航路もあります!
運河によって魅力は様々あるのですが、今回の記事ではエジプトにあるスエズ運河の役割や日本円に換算した場合のスエズ運河の通行料などの情報をまとめてご紹介します!

スエズ運河の長さはどのくらい?

スエズ運河は地中海と紅海を結んでいる人口の運河。南端のスエズから北端のポートサイドまで全長は193.30km。運河内での船の速度は時速14~16kmと定められているので、12~18時間をかけてゆっくりと進んで行きます。

スエズ運河の役割

スエズ運河ができる以前、ヨーロッパからアジアへ船で向かう際にはアフリカの喜望峰を通るルートが一般的でした。例えばロンドン~横浜間の航海の場合、喜望峰ルートだと航海距離はおよそ26,900kmですが、スエズ運河を通った場合の距離は約20,400kmとなり24%も短縮することができます。航海日数にすると1週間ほど早く到着することができるんです!すごい近道!

スエズ運河の通行料は約4000万円!

スエズ運河の通行するためにかかる料金は、船の大きさや積載物の内容によっても異なりますが、1隻につき日本円で3,000万~5,000万円!1日に約50隻がスエズ運河を通行しているそうなので、座礁などが起こって1日スエズ運河が通行できなくなると日本円で20億円前後の損失が発生するとのこと……。すごいスケールでお金が動いているんですね……!

スエズ運河の歴史

スエズ運河は1859年に工事が始まり、そこから10年後の1869年に完成して開通しました。現在はエジプトが国有化していますが、スエズ運河の莫大な利益は国際的な紛争の火種にもなっていました。
この大運河の建設を主導したのは、フランスでした。フランスの外交官で実業家のレセップスがエジプトから開削権を得て「国際スエズ運河会社」を設立し、25,000~40,000人ともいわれる作業員を動員してスエズ運河を完成させました。しかし、ほどなくして国際スエズ運河会社は経営難に陥り、株式はイギリスに買収されてしまいます。その結果、スエズ運河の収益はイギリスが独占することに。この買収を足掛かりに、イギリスは本格的なエジプト支配に乗り出します。イギリスによるエジプトの保護国化とそれに反発するエジプト反英闘争や、エジプトのスエズ運河国有化宣言に反発したイギリスが出兵したことによって始まったスエズ戦争など紆余曲折の後、1956年にエジプトの国有化が認められました。

スエズ運河と日本との関わり

スエズ運河にはユーラシア大陸とアフリカ大陸を繋ぐ橋が架かっているのですが、その橋の名前は「エジプト-日本友好橋」といい、橋の真ん中にはエジプトと日本の国旗が描かれています。ここでは、日本とスエズ運河のかかわりについてご紹介します。
1975年から1980年までの期間に行われたスエズ運河の拡張工事では、日本が技術提供と経済援助を行った歴史があります。1960年頃から航行する船舶の大型化が進んだのですが、当時のスエズ運河は幅と水深が足りず大型の船が通れないという課題が出てきました。そこで、大型船の通行を可能にするための工事が行われたのですが、この時に経済的な援助や技術提供の中心となったのが日本だったのです。また、全長3.9kmにも及ぶ「エジプト-日本友好橋」を建設する際にも日本政府が建設費の60%を負担するなど、日本とスエズ運河は深い関係にあるんです。

スエズ運河体験記

ここからはスエズ運河の航行中はどんな感じなのか、実際の体験をもとにご紹介します!
朝4時:スエズ側から運河に入る
スエズ運河は一方通行なので、どの船がどの方向に向かって進むのかのスケジュールがたてられています。スエズ運河の入り口では、順番待ちをしている船が待機しています。
私が訪れたのは夏期と呼ばれる5月だったのですが、「エジプトは意外と寒い!」という感想を覚えました。乾燥していることもあり、お日様が出ていないこの時間帯は肌寒く、上着を取りに部屋に戻った記憶があります。日中はものすごく暑くなるんですけどね……。
運河を進んでいる時は、右を見るとユーラシア大陸のシナイ半島、左を見るとアフリカ大陸が見えます。2つの大陸を同時に眺めることができる体験というのもなかなかないと思うので、ぜひゆっくり堪能してください。
少しずつ見える風景は変わっていくのですが、基本的には砂漠のような景色が広がっています。
スエズ運河で釣りをしている地元の小舟に出会うことも。
スエズ運河の北端であるポートサイドに近づくにつれて、見えてくる風景も変わってきます。モスクがあるだけでなく、時間が合うと礼拝を呼びかける「アザーン」という合図が聞こえてくることも。
そして、夕方ごろにポートサイドに到着してスエズ運河の旅は終わりを迎えます。

終わりに

今回はエジプトにある、世界三大運河の内のひとつ「スエズ運河」に関する情報をお届けしました!私も船に乗る前に動画などでスエズ運河航行の様子は見ていたのですが、実際に1日かけてゆっくりと運河を進んで行くとたくさんの発見があり、百聞は一見にしかずだなぁと感じました。運河を通るというのは船旅でしか味わうことのできない体験のひとつだと思うので、ぜひスエズ運河航行を楽しんでくださいね!
(文/鷲見萌夏 写真/ )
PROFILE
sumimoeka
鷲見萌夏(ピースボートデッキ学生インターン)
1999年北海道札幌市生まれ。上智大学新聞学科在学中。
メディア・ジャーナリズムの勉強をしながら「表現」することを研究中。
ライターとして活動する中で、もっと自分の世界を広げたいと思いピースボート101回クルーズに参加。


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