ピースボートデッキ > COLUMN > 四角大輔「Slow Boat Trip~人生を変えた時速20kmの旅~」イベントレポート
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コラム
2020/11/27
四角大輔「Slow Boat Trip~人生を変えた時速20kmの旅~」イベントレポート

 

過去に4回、水先案内人としてピースボートに乗船経験のある四角大輔さん。場所に縛られない働き方を実現させている四角さんが「第1回ピースボート地球一周の船旅 オンライン」で、実際に乗船して感じたピースボートの魅力や「旅」について話してくれました。
今回の記事では、四角さんの登壇した企画「Slow Boat Trip~人生を変えた時速20kmの旅~」より、四角さんのトークをダイジェストでご紹介します!

「低消費」に暮す

今はニュージーランドの山奥、一番近い街まで20㎞ほどある原生林に囲まれた湖のほとりに住んでいます。ここには10年前に移住してきました。大量生産・大量消費の暮らしが好きではなくて、基本的な食料は自分で調達して、水も湧水をポンプでくみ上げたりと、自給自足ベースで、あまりものを買わない「低消費」な生活を送っています。
2009年までレコード会社で15年働いていて、今とは真逆の大量生産をする側だったんです。音楽アーティストのプロデューサーとして2,000万枚のCDを売りました。仕事としては褒められることなんだけど、土に還らずリサイクルもできない「CD」をそれだけばらまいて、環境に大きな不可をかけていたという罪悪感もありました。幼少期からずっと自然が好きだったこともあり、今はなるべく自然に負荷がかからない生活を送っています。この森の中の湖で営んでいる暮らしで感じたことを本や記事にしたり、イベントとInstagramで発信しています。

旅をするように生きる

昔から旅が好きで、今まで65ヵ国を訪れてきました。ただ観光をする旅ではなくて、仕事をしながら旅をしてきました。今や、ニュージーランドの山奥にいようが、世界どこにいようがインターネットとパソコンとスマホがあれば、仕事をする上で場所の制約はありません。なので「旅をするように生きるライフスタイル」を実践しています。
ネットを使って仕事をし、旅するように生きていると、世界の色んな「常識」に触れられて日々の暮らしが非日常化する。そうやって思考的にも物理的にも自由自在に動き回り、知的労働を続けていると、どんどん頭が柔らかくなる。一つの国の常識や考え方しか知らないと、それがすべてって思いがちだけど、そんなわけないですから。自分を「固定化」せず、日常的に「旅をしている」という感覚でいると、多様な価値観があることが当たり前になるから「こうでなきゃいけない。こうしないと恥ずかしい」みたいな古い考えや常識に縛られなくなる。なので、生きるのが楽になります。
例えば日本ではしばらくの間、高校卒業後に大学進学してみんなと同じように就職活動して……っていう流れが「普通」みたいになっていましたよね。自分が「それをしたい!」と思うなら全然いいんですけど、心がNOと言ってるのに「普通はそうだから」と何も考えずにその道を選んだりとか。でも、本当はその「普通」に当てはまらなくてもいいんです。他者や生き物や自然を傷つけず、法を犯していなければ何をやってもOKと僕は考えます。人生はもっと自由なんです。ピースボートに乗っている人はそういう発想の人が多い気がします。

PEACEな船のおもしろさ

ピースボートって名前にPEACE(平和)って入っているじゃないですか。言葉の意味の大きさから、世界の国々や都市は名前に平和を冠した船が来ると「おお」ってなるんですよ。実際に、船には「戦争やテロリズムをなくしたい」とか「地球環境を何とかしたい」っていう志を持つ人がいっぱい乗っている。陸だと社会に馴染めないけど海や旅が好きで、世の中をもっと良くしたい!と思っている人がたくさん乗っているという部分でピースボートにはまりました。僕自身も「陸の社会」や「普通」とされる生き方に馴染めなかったから、ボートの上がすごく居心地が良くて(笑)、気がついたら今までに4回も乗っています。
船で3か月かけて世界一周するのはすごく勇気のあること。だから、船で会う人たちはお互いを、同じ「人生の挑戦者」のように感じてすぐに打ち解けてしまう。ピースボートは特に、世代関係なく色んな人が乗っているので、普段の生活だと話さないようなバックグラウンドの人とも話せます。
陸だと、みんなで物理的に同じ方角を向いて前進し、大きな乗り物(船)の上でこれほど長い時間、寝食を共にすることなんてないですよね。だから、陸だったら一緒に数年間過ごすくらいの関係性が数週間でできる。だから僕には、ピースボートで一緒になったブラザー、シスターがたくさんいます。
そんな感じでピースボートに乗ると、毎回たくさんの仲間ができるんです。僕がなんで色んな人と仲良くなれるかというと、僕みたいに陸だとなんかまわりに馴染めないなっていう人たちがたくさんいるから。「君もか」「俺もだ」みたいな感じで仲良くなれるんですよね。

死ぬまでにもう一度経験したい、船上からのオーロラ鑑賞

92回クルーズには史上初でピースボート上からオーロラを見られるチャンスがあると聞いて。船でオーロラを観るなんて最高だと思い「その区間に乗りたいです!」とお願いしました。実際に、オーロラを観ることができたんですけど本当に綺麗でした。船を操舵するスタッフさんはみんなベテランで、思わず敬礼をしたくなるくらい貫禄のある人たちなんです。だけど、そんな屈強な人たちがオーロラを追っかけて右へ左へと大きな船を動かすのは究極の遊びだと思いました。船の上でオーロラを見るのは、死ぬまでにもう一回経験したいですね。

四角さんにとってピースボートとは?

僕にとってピースボートは「どこでもドア」。ヨーロッパとかは特に寄港地同士の距離が近いので、寝て起きたら違う国に着いているなんてことがよくあるんですよ。一晩しか経っていないのに全然違う景色が広がる。世界には自分の知らないことがたくさんある。自分がこれまで所属していた世界なんて、ほんとに小さいんだなってことに気付けます。だから、自分が今置かれている社会に馴染めないなって人にはぜひ乗って欲しい。僕の場合は学校や会社に馴染めなかったんだけど、旅をすることでこんなに世界は広いんだと思えて楽になったから。

こんなにも世界は広い

もともと寄港地が目当てで「飛行機だとなかなか行けないあの街に行きたい」というのをピースボートの目的にしていたんだけど、何が一番の思い出かと聞かれたら「船の中の時間」と即答します。昼間から軽くお酒を飲んだり、他の水先案内人の講座を聴いたり、ジャグジーに入ったり、色んな人と語ったりするのが本当に楽しい。僕が船に乗る時はいつも締め切り前の著書の原稿を持って乗るんですけど、外のデッキで景色を観ながら執筆するのは最高ですよ。
今まで、飛行機、車、寝台列車など、65ヵ国を旅する中でいろいろな移動手段を使ったけど、地球を感じられるので船旅が一番好きです。僕が乗っていたのは20日間ほどだけど、それでも、地球は丸くて海が全部をつなげてくれていることを感じました。

コロナ禍で考えたこと

コロナは悲劇で、たくさんの人が亡くなっているし、今この瞬間も苦しんでいる人はたくさんいる。だけど、今まで想像していなかった環境で生活することになった時に、世界中の人が「あれ、この生き方でいいんだっけ?」と、自分の生き方・暮らし方について考えたはず。人類は環境を破壊しながら大量に要らないものを作っている。日本で買える安いチョコレートも、発展途上国の人が劣悪な労働環境で作ったものかもしれない。全世界の人が「このままでいいのか」と考えたと思うんです。ぜひ、あなたも、まずは自分の生き方を振り返ってみてほしいです。
今は人生100年時代だから、年齢はまったく言い訳にならない。特に若い人はね。20歳の人は、あと80年もあるし、60歳だとしてもまだ40年もある。20年以上を費やせば、人はなんでもできます。僕も今年で50歳になるけど、今までまったくやってこなかったことを新しく始めています。コロナを理由に「やりたくない」と思っていたことをきっぱりやめたり、コロナを理由に「やりたいこと」に踏み出して欲しいと思います。

乗船を目指すあなたへ

ピースボートが存在する時代に生きているなら絶対に乗ったほうがいい。迷っている人は絶対に。まったく考えていない人も検討してみて欲しい。ポスターを貼るボランティアをしたら船代が割引になるしね。そのポスター貼りの経験も今後の人生にものすごく役立つと思います。色んなお店に飛び込んで、初対面の人と話して難しいことをお願いするっていう経験は無敵ですよ。どんなことよりも大変だもん。船に乗る前から最強スキルを獲得できると思います。「いつか乗る」と漠然と思っていてもその「いつか」は絶対に来ないから、迷っているならまずは説明会に参加するなどすぐに小さく行動するといいですよ。小さな行動の積み重ねこそが、人生を理想の方向へ導いてくれますから。

 

(文/鷲見萌夏 写真/水本俊也、四角大輔)

PROFILE
sumimoeka
鷲見萌夏(ピースボートデッキ学生インターン)
1999年北海道札幌市生まれ。上智大学新聞学科在学中。
メディア・ジャーナリズムの勉強をしながら「表現」することを研究中。
ライターとして活動する中で、もっと自分の世界を広げたいと思いピースボート101回クルーズに参加。


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