ピースボートデッキ > COLUMN > アメリカ・ニューヨーク 後編〜Peace on the Boat trip〜
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シリーズ
SERIES:01 Vol.45
2018/04/20
アメリカ・ニューヨーク 後編〜Peace on the Boat trip〜 (3/6)

 

4・DSCF6422会場

 

気がつくと、2時間半という時間が通り過ぎていた。ザッツエンターテインメント。そんな言葉の意味を実感したのは初めてだ。紛れもないプロ集団を目の当たりにすると、深いため息しか出ないもんだね。感想なんて言葉で言う必要もないよ、もう観るだけでいい。

 

ストーリーはクライマックスを迎えて、人々のスタンディングオベーションを受けた出演者たちは、誇らしげにステージに並んでうやうやしくそのこうべを垂れた。その最後まで全部が完璧な姿に、これがブロードウェイって世界なんだなぁってことを知った夜だった。

 

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次の日、私は珍しく熱を出していた。ここ最近は気だるさがあったんだけど、油断してたかも。きのう夜眠る前にずっと考えていたことがある。そう、カフェで知り合ったハーレムのおじさんとの約束のことだ。結局どうにもできないままに朝、布団の奥に丸まり込んだ私は、熱にうつらうつらしながらも思考の渦から抜け出せずにいた。

 

ニューヨークのスラム街。ここに昔から住む黒人のおじさんと、平和ランド日本からやって来た私たちとは、同じスラムに立ったとしても明らかに存在の意味が違う。現状をこの目で見てみたい反面、知りたい気持ちだけで中途半端なことをしては失礼だとも思う。自由の国のもう一つの姿…そんな現実に向き合えきれる訳もないのに。

 

1・P1120553街角

 

表面だけを覗き見るだけならまだしも、扉を開けてそこに一歩踏み込むのは意味が違う。どうにもならない現実を目の前にした時、私には分からないから~って言って終わるならば、じゃあなんでここに来たの?ってなるよね。

 

正直、覚悟がなかったのかもしれない。そんな自分の弱さが「熱」っていう形で現れたんだろうな。行けなくなったことに少しホッとしながらも、眠れないまま熱は頭痛を伴って、ジンジンと私を問い詰め続けた。

 

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PROFILE
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Hinata(フリーライター)
国内を転々と放浪した後、沖縄にたどり着き12年を過ごす。現在は神戸を中心に活動中。ハワイ好きでフラ歴もあり、ロミロミマッサージのセラピストとしての一面も持つ。好きなことは料理・物作り・音楽・読書・写真・旅などあらゆることに興味はつきない。ピースボートで世界一周の船旅(第90回クルーズ、第92回クルーズ)に参加、その物語を綴る。


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