次の日は朝早くから、知人夫妻が通っているウクレレレッスンへと連れて行ってもらった。ワイキキの公民館のような小さな古いスペースで開催されてるレッスン。何だかローカルっ子になった気分になりながら、慣れないウクレレのコードを先生の弾くスピードに合わせて鳴らしていく。
弾いているうちにあれれ、急激な眠気が突然やってきたぞ。さっきまで全く眠くもなんともなかったのに…古い建物には色んな気配がいっぱいだ、なるほどね。可愛いいたずらの魔法をかけられたように、あっという間に眠りの向こう側に引っ張られていくよ。もうそれには抗わないで受け入れて、車の中で仮眠したんだ。
ハワイではさ、不思議なことが起こりやすい気がする。ちょっとスピリチュアルというか、目に見えない世界との繋がりも深く、所々でそれを実感するんだ。オカルトのような怖い感じではないよ、どちらかっていうと生活に根ずいた感覚でフワリとやってくる。だけどこれは個人的にそう感じてるだけかもしれないし、そんな気がするよってぐらいのものだけどね。
そう言えばハワイにも、トロール(妖精)のような存在がいてさ。「メネフネ」って呼ばれているんだけど、小人族なんだって。一説ではカウアイ島に移住してきたハワイ先住民ではないかとも言われてる。シャイな彼らにはなかなか出会えないらしい。もちろん私もまだ彼らの姿は見たことないよ、だけど気配は感じたことがあるんだ…ホントだよ?
あと、スピリチュアルな場所と言えば「ヘイアウ」という空間。ハワイにも日本と同じようにたくさんの神様がいるんだけど、海、山、月、火…森羅万象のスピリットだよね、八百万の神様。そういう神様を祭った聖なる場所が「ヘイアウ」なんだ。
そして、「カフナ」と呼ばれる存在もいる。ハワイの伝承を深く知り、神職から医療まで様々な知識を持った専門家でもあり、精神的な指導者でもある人々をカフナと呼ぶんだ。そしてそんなカフナだけでなく、全ての人が持っているエネルギーの「マナ」。
マナとはハワイ語で魂とか魂の力って意味なんだけど、そのエネルギー量は増えたり減ったりするんだって。もちろん自然の中にもマナはいっぱいあるから、マナの強いような場所に行くだけでもその量は増えていくし、自分自身でマナを高めていくこともできる。