通りを歩くと美味しそうなお店を発見。店頭に並べられたたくさんの中鍋の中には、カレーのような、スープのような、色んな種類の汁物がずらり。その奥には野菜や豆の惣菜が平皿に盛り上げられている。なんとまぁ、これを横目に通り過ぎる訳にはいかないでしょう。
早速私たちはお店の奥に入り、メニューを吟味。色んな種類のトルティーヤがあったので幾つかオーダーし、それと一緒にワカモレもオーダーしたんだ。
ワカモレっていうのはアボカドのディップのことでさ、クリーミーなアボカドのペーストにニンニクの風味とレモンの酸味が効いた、スパイシーな南米料理には欠かせないディップの名前。そしたら料理のひとつひとつにワカモレが元から付いていたらしく、私たちのテーブルの上はあっという間にワカモレ祭りに。
こうなったらとことんワカモレにまみれてみようと勢いよく食べ始める。とりあえず以前からのちょっとした憧れ、お腹いっぱいワカモレを食べてみたいという願望は、思いがけずもここアンティグアの山奥で達成されたのだった。
店を出ようかってなった頃、ふいにここのお店の造りに興味が湧いた私たち。案内してもらい二階からレストランの屋上に上がると、そこに広がっていたのはアンティグアの素朴な街と山の風景。建物が全体的に低いからこそ見える、地面近くの独特な視界だ。
そして、一階に降りるとそこは緑と建物が絶妙にマッチした空間で。アンティグアって面白い感覚の場所なんだなって思ったよ。何でかっていうと、植物たちが飾りというよりは生き物としてそこにいる。それは当たり前なんだけどさ。植物が建物の古さを吸い取って、同じ空気を吐き出してるような…まるで同調しているかのような空気感なんだ。