食べ終わってから私たちは一緒に彼女のお店に向かった。街の端の方にそのクラフトマーケットがあってさ、そこは色んな場所から手作りものを持ってきて売ってる人々の、コミュニティーのような雰囲気のある場所だった。
とにかく店舗数の多いこと、小さな掘っ立て小屋のような店が数え切れないほど繋がってる。そこには年寄りから子供まで色んな人たちがいて、座って話をしたりゲームをしていたり、仲のよい雰囲気も伺える。ちょっとした村のような雰囲気でまとまりがあり、入るときにお邪魔しますと言いたくなるような場所だったんだ。
彼女の店は奥の方にあって、こじんまりととても小さかった。その中の半分ずつを友人とシェアして借りているんだって。彼女の家族が描いたという絵がいくつかあったんだけど、絵を見て、さっきの彼女の村の話を思い出した。
その絵にはのんびりと釣りを楽しんでいる様子や、大きなバスにみんながキュッと詰まって乗っている様子が描かれてた。バスの上にはカラフルな荷物や野菜のカゴが人同様に満載されてて、なんだかちょっと楽しそうな雰囲気の絵でさ。そのバス道は砂地の道路になっていて、道の横手には「JAMAICA NICE」って書いた看板が立ってるんだ。
すごく気に入ってその小さな絵を買ったら、別れ際に彼女の手作りのミサンガを私の手に巻いてくれてさ。キュッと巻かれたそのミサンガは、まるでジャマイカと私の心を結ぶ何かの約束のように手首に固定されていた。
たくさんのジャマイカ人との出会い。そんな中でこの日、心に深く刻まれた思い出がある。