食堂の壁は青一色に塗られて魚の形をしたオブジェが飾られている。私たちの席の横には、バルパライソの街中を描いた大きな絵が一枚飾ってあった。それは原色の建物と笑顔の人々がそこら中に描かれている作品でさ。絵を眺めるだけでここの街の良さが感じられるような、そんな活気に溢れたいい絵だったんだ。この街を出るまでにこんな素敵な光景に出会えたらいいなあって、私はこの時ほんわか酔いどれながら眺めていた。
さて。お腹も満たされいい気分にもなった私たち。ぶらりと街の散策を再開するべく店を出てゆっくりと歩き始めた。
お店の並びが一旦途切れた場所に、木の箱で上手に組み立てられた即席の野菜売りのお店を発見。
この辺りのレストランが買い付けに来るのだろうか。それとも、この近辺にもしかしたら住宅街があるのかも…って思ってたら、道を回り込んだ少し広い空間にも小さなマーケットが出現していた。台の上には大きめの魚がどーんと並べられている。
やっぱり港町だね、新鮮そうなお魚がいっぱいだ。そこから道行く所々に野菜を売るお店が幾つも現れ始めて、辺りは次第に賑やかな街の風景へと様変わりしてきた。卵だけを山ほど売っているお店もあって、変わり種のお店に興味津々。
買い物したいのをグッと抑えつつ、カーブを曲がった場所から突如として始まる坂の道を登り始めた。あれれ、結構きついよ、坂道上るのさ。
何でかな~って思ったらそういえば、さっきショットを飲んだんだった。昼からの飲酒をちょっと反省するのも束の間、周りの建物の色合いのポップさに目を奪われながらふわふわと歩き続ける。一軒一軒の建物がカラフルでとっても可愛いバルパライソの街並み。