「失敗したくない…」から「失敗してもいい!」へ
――ジャグジーでのんびりしたり、友達とワイワイしたり、かと思うと寄港地で大冒険したり、バランスよく楽しんでますね! そんな88回のクルーズをまとめると?
熊本 『楽しもう』って決めて、楽しむために全力を尽くしてた感じです。やっぱり何事も挑戦してみようっていうのが強かったですね。タイミングは本当に良かったです。大学に戻って学びたいことも見つかりましたし
――それで、就職しない道を選んだと。
熊本 乗る前はたぶん誰よりも就活は『失敗したくない』と思ってたんですよ。だから大学2年の頃から企業分析を始めて、早い段階で就職のために動いたんです。でも今、船を降りてから思うのは、まだこの歳なら失敗してもいいんだということです
――そんな熊本さんに、家族や友達はどんな反応ですか?
熊本 家族は『好きにやりなさい』という感じです。あと、僕には子どもが一人いるシングルマザーの姉がいるんです。で、僕が船を降りて日本に帰って来ると急に『私、中国に留学するわ』と言い出して。どうしてなのか聞いたら、『お前を見てると好きなことをやっていて楽しそうだから』って。自分が楽しむためにやってると周りにも影響があるんだと実感しましたね
――楽しいことを追求する姿勢が、知らないうちにいろんな人の原動力になっちゃうかも!?
熊本 そうかもしれないです(笑)。ピースボートに乗ったことがある人もあまりいないし、分からないことも多いみたいで『あの居酒屋とかに貼ってあるポスターのやつ、俺も行ってきた』って言うと、僕のSNSの写真を見て『俺も行きたいと思ってるんだよね』と言ってくれる人も出てきていて
――では、そんな興味が出てきている人に一言お願いします。
熊本 乗る、乗らないはその人の自由なんですけど、もし仕事などで迷っている人がいたら、背中を推すことはできますよ! 僕は乗ってここまで考え方が変わったし、いろんな人に出会えるので、いいと思います!
(取材・文/明知真理子 写真/利根川幸秀 写真提供/熊本海斗)