「離脱」して行ったインドで怖い目に…!
――ピースボートのクルーズで一番印象に残っている寄港地は?
熊本 インドですね! インドのムンバイで『離脱』して、友達と3人で回ったんです。その時に首都のデリーとムンバイの違いにまず驚いて。デリーの夜は本当に危なくて、トゥクトゥクという乗り合いタクシーに乗っていても外から腕を引っ張られたりして、初めて海外で危ない目に合いましたね…
離脱って?
ピースボートでは寄港地で下船し、次の寄港地まで自由行動をすることもできる。熊本さんは約3ヶ月のクルーズ中、3日~2週間ほどの離脱を3回している。
――怖い!
熊本 でも、そんな思いをしてもタージマハルには行きたくて。で、実際に行ってみたらもう『ホントに来られたんだ~』って、怖かったことも全部忘れ去って(笑)。 船の中でその歴史を勉強できたのも良かったし、具体的には言えないけどパワーみたいなものがあって…。あと、デリーも昼間は大丈夫なんです。話しかけた現地の人がホテルを探していっしょに歩いてくれたり、人の温かさも感じましたね!
――ホテルはどうやって探したの?
熊本 行きと帰りの航空券しか取っていなかったので、観光客向けのインフォメーション・センターで教えてもらって、その住所を頼りに歩いて探しました(笑)。本当は宿やプランも決めておきたかったんですけど、どうしても現地に行ってみないと分からないことが多くて
――冒険してますね~! 食事はどうしてました?
熊本 やっぱりまずカレーを食べました(笑)! ほかにも名前も分からないような食事がいっぱいで、屋台で食べたスパイスが効いたチャーハンみたいなのもおいしかったですねー。物価も安いし、食べる前においしくなさそうって思うより挑戦したいなと思って
言葉は通じなくてもなんとかなる!
熊本 次はギリシャのピレウスで1人で離脱して、どうしても行きたかったトルコのイスタンブールに。ブルーモスクっていうすごく綺麗なモスクがあるんですよ。この時も飛行機のチケットだけ取ってたんですけど、僕、その控えをなくしちゃったんですよー。『あれ、取ったかな』って自分でも疑問になってきて…、でも1人だしなんとかなるかなって(笑)。トルコの空港でパスポートを見せたら再発行してもらえたんですけどね
――よかったですね(笑)。
熊本 それで不安もなくなったし、あとは生きて帰ればいいやってずっとウキウキしてましたね!
――ポジティブ!
熊本 トルコではずっとケバブしか食べてなかったですね。最初『テイクアウトで!』って言っても通じなくて…。海外だと『テイク・アウェイ』なんですね。やっぱりカタカナ英語は通じないんだなって気付かされました(笑)
――そういう細かい「気付き」を積み重ねてきたんですね! 移動はどうされたんですか?
熊本 空港からは電車です。トルコは路面電車から新幹線みたいなものまで電車網が発達してて、『地球の歩き方』を見ながら『今、この駅だ』って確認しながら。そこには1日半ぐらい滞在して、その間にいろいろ回りたいと思ってたんですけど…、僕、すぐ疲れちゃうんですよ(笑)。宿をとってチェックインして座ったら動けなくなって、3時間ぐらい昼寝してから出かけました。
そういえば、トルコで衝撃的だったのが…、買い物していたら店員の男性二人に『僕たちのどっちがタイプ?』って聞かれたんです。こちらの方がかっこいいなって正直に言ったら、別の方が『初めて見た時からタイプだった。もしよければうちに泊まっていかない?』って
――そ、それは…(笑)!
熊本 ああ、僕、誘われてるんだなって気づいて(笑)。『ごめんなさい、僕は女性が好きです』ってお断りしました。そんな経験は初めてでいろんな人がいると実感したし、複雑な気持ちになった半面…、ちょっと嬉しかった(笑)。やっぱりそこでもチャレンジ精神が出て、行ってみようかなとも思ったんですけどね! 何事も経験してみないと分からないし!
――いや、そこはチャレンジしなくても(笑)。ほかにもモテ・エピソードありそうですね!
熊本 モテはないですよー。あっ、でも思い返すと、タヒチのパペーテで若い女の子に囲まれたことはありましたね。ペルーのマチュピチュでも修学旅行らしき現地の女の子たちといっしょに回って、言葉は分からなかったけどなんとかコミュニケーションを取ってfacebookは交換できて。今でも頑張ってスペイン語を調べながらメッセージのやり取りはしていますね。
ほかにも宿や電車で仲良くなった人に『日本ってどんな国? 興味ある!』って言われて友達になったりして、英語が通じないところでも身振り手振りでなんとかできるなって(笑)
――コミュニケーション能力が高いですね~!
熊本 いや、そんなことなかったんですよ! それもピースボートで気付かされたことのひとつかも。それまでは海外に一人で行ったこともなかったですし