下階のだだっ広いフロアは若者でごった返していた。キューバにこんなにたくさん若者いるんだ!しかもオールドハバナの街の雰囲気とは全く違った、イマドキのスタイルのお洒落な若者たち。
フロアの正面にはステージがあって、今はバンドが生演奏中。フロア後方には真っ赤な長いバーカウンター、壁の棚には「ハバナクラブ」というキューバのラム酒がズラリと並んでいる。
カウンター近くの少し高くなっている場所にDJブースがあって、そこにもスーツ姿の強面の人が2人立ってフロアをチェックしている。その人たちも彼が声をかけると途端に笑顔、ハイタッチで挨拶をして何やら楽しそうに話していた。
私たちが「キューバリブレ」を飲みたいって言っていたから、彼はポッケにコーラを忍ばせてきていた。ホントはラム酒も持ってきてたみたいなんだけど、さすがにその持ち込みはダメだったらしく、彼はカウンターでハバナクラブをボトルで一本注文した。
3つのコップに即席キューバリブレを作って、満面の笑みで私たちは高々とコップを持ち上げながら乾杯!キューバのもうひとつの顔、夜の若者たちの遊び場所に潜入した私たち。
大音量でグルーブしている音楽に身を委ねながら、コップを片手にサルサのステップを踏んだりクルクルと回されたりと、若者的キューバナイトをこれでもかというほどに体感した。
周りで踊っている若者たちがフレンドリーに話しかけてくる。一緒に踊りながらお酒もだいぶ回ってきていい気分になってきたぞ。ステージ前ではドレッドスタイルのボーカルが3人ほどと、ギター、ベースにホーンやDJも混成した大人数のビッグバンドが、サルサとレゲエのリズムが混じったようなカッコイイ音を出している。
1時間ほどの間、飲んだり踊ったりして楽しんでた。そしたら突然、踊り続ける私たちの横で一緒に踊っていた子たちと、彼が連れ立ってどこかへ行ってしまったんだ。