以前は一度キューバに入国すると、半年間はアメリカ(ハワイも)に入国できなかったんだって。だけど今回の船旅は一ヶ月以内で、アメリカ(ニューヨーク)→キューバ→ハワイという航路を取っている。
実際は間にいくつか寄港地も挟まっているけど、この行程は凄いことなんだ。歴史が変わってきているという事実をそのまま体感できるってことなんだよ。しかも私たちがキューバに入国するその日は、国連における「アメリカのキューバに対する経済封鎖解除への投票日」で、歴史的にも重要なポイントとなる日だった。
どこに向かうともなく道を歩いていたら、アパートのような建物の大きなドアの前に座っていたおじさんが声をかけてきた。「あなたは日本人?今からどこにいくの?」にこやかに英語で話しかけてくる人懐っこそうなおじさん。キューバはスペイン語だと聞いていたけど、英語を話せる人がいてちょっとホッとした。
おじさんの隣には長身の男の子が座っていて同じようにニッコリと笑顔。そこで色々と話をしているうちになんだか仲良くなったので、うちに遊びにおいでよというお誘いに快くオーケイしてお邪魔してみた。キューバはそこまで治安が悪くないっていう情報と、そのアパートの壁に「カーサ」という国指定の民泊のマークがあったのとで、なんとなく安心だと思ったんだよね。
アパートの玄関から中に入ってみると、階段は工事中でホコリまみれだった。2階にあるおじさんの部屋のドアは開けっ放しで、中に入ると小さい部屋のベットの上に男の子のお母さん、おばあさんの親子と思われる女性が2人寝っ転がっていた。
「はい、ここに座って。コーヒー入れるよ」ここにって、そのベットしかないけどここかな?親子と私と男の子が4人でひとつのベットにきゅっと座った状態になる。友だちの家に来てもここまでの親密感ってないよ~なんて思いつつ、突然の訪問に特に何も言わない親子たちに英語でしゃべりかけてみた。
結局、おじさんだけが英語を話せて、みんなはスペイン語オンリー。まぁそれが普通なんだよねと思い出して、知ってるスペイン語を言ってみた。といっても前日に習った簡単な挨拶や自己紹介、数字くらいしか分からないからもちろん会話は長くは続かないけど、面白がって笑顔で聞いてくれている。