そして今日最後の目的地、ハルパ・レイキャビク・コンサートホールにたどり着いた。ここは凄い大きなホールで、とってもデザイナブル。外観は一万枚の窓ガラスを幾何学模様に組み合わせてるんだって、EUから欧州の優れた現代建築として賞をもらっているほどなんだ。
その外装が夜になるとまるで、オーロラのように美しく色を放ってゴージャス。「ハルパ」っていうのはアイスランド語で妖精、古い暦では「長い冬を終えた後の夏の始まりの日」って意味もあるそう。
建物の中をぐるりと見て感じたことは、空間にある色んなものがとってもアーティスティックなんだけど、実用性はあまり重視してないんじゃないかってこと。
その辺がアイスランドと近代の日本と、真逆な気がするんだ。それは街中を見ていても感じたことで全体的に言えるような…実用性がそれほどなくても存在する「道具」たち。
だけど考えてみたら、アイスランドの人にとってそれは実用的なのかも。アーティスティックであることが「物」にとって必要なことというか。たとえ道具に道具としての機能がそこまで備わってなかったとしても、美しさとしてのデザインが優れていればそのこと自体が実用的。
これってさっきのアイスランド映画で感じた「自然観」とも共通する部分があるかも。描かれていた彼らの生き方にもどこかそういった所がある気がする。生命は流動するデザインというか、彼らの生き方そのものからアート性を感じるんだ。きっとアイスランドのダイナミックな自然から、そんな感覚が生まれてくるんだろうね。