友人はネットで検索、私は勘を働かせながら歩き回る。結局ランチ時間が終わる頃ギリギリになってしまい、見た目で決めるべく「古くからある」感じの「小洒落た」お店に滑り込んだ。探していたメニューは、一度食べてみたかったイタリアのカルボナーラ。何故かというと本場のカルボナーラは日本のそれとは程遠いものだって噂を聞いたからなんだ。
本場の麺はリガトーニというショートパスタでチーズはペコリーノ・ロマーノ、そして生クリームを使わないこと?…それってかなり日本のカルボナーラとは味が違うってことだよね。分かっていながら果敢にもチャレンジした結果、その味を一言でいうと「まあまあ」。そこで終了してしまいそうなイタリアの旅に大きく「待った!」をかけた私たち。その伝統的と言われるちょっと微妙な味の料理を食べながらも更に、ネットで美味しい店の検索をかけ続けてみた。
後でもう一軒ハシゴすることを決めて皿をあけビールを飲み干し、次の観光地へと向かう。結局ネットの情報は飽和状態で、選ぶのに疲れきって強制終了してしまった。ホントに便利な世の中だよね、すぐに何でも検索できてさ。でも、私はどっちかっていうと自分で見つけながら歩く方が好きだな。欲しているものが向こうからやってくるような感覚が面白いんだ。
満腹にはあともう少しというくらいが、観光時には歩きやすくていいのかも知れない。足取りも軽くひたすら歩き続けていると、突如現れる広場や教会の数々。そしてローマは、電車に乗ってまわるのも楽しい。有名な観光地の近くにはほとんど地下鉄の駅があるから、とても便利にまわれるんだ。とにかく今回は時間も節約したいので、乗り放題の乗車券を買って地下鉄に乗りまくってみた。
次に向かった場所の手前に、また巨大建造物を発見。ビットーリオと呼ばれる王の記念堂のあまりの大きさに驚く。しかしまあ、なんでイタリアの建造物はやたらと大きいんだろうか。写真に全然入りきらないよ、観光客も困っちゃうでしょこのサイズ。セグウェイで観光中のグループも発見、確かに歩くよりいいかも。
その後は、裏手にあるコロッセオを見学。歴史的建造物はいつでも圧巻だ、というかホント大きいね。壊れかけた部分に時間の流れを感じる。石の作りの建物ってどのくらい持つんだろうか。普通に立っている分にはそう簡単には壊れないだろう、だけど戦争やなんやらで意図的に壊されたものも世界にはたくさんあるよね。歴史的な建物から感じ取るものも、色々だ。
この日はスペイン広場が最終地点となった。あれだけ集中して探した美味しいレストランだったけど、あのあと結局、探せずじまいでタイムオーバー。朝たまたま入ったカフェのパニーニが美味しかったのと、通り道にあったお店のジェラートが美味しかったことを考えると、「求めているものは探しすぎない」という教訓を言い渡されたような一日だった。
ローマを観光巡礼しながら、美味しいものを食べたいという私たちの浅い祈りは、もちろん天には到底届かずあっけなく終了した。とりあえず、こんな軽い人生に乾杯。