宗教的な聖地のイメージって禁欲的世界というか、それこそラクダに乗って砂漠をひたすら行ってようやくたどり着くような、現代的なものが感じられない荘厳な世界を想像してたんだけど。ちょうど今目の前を通り過ぎていくエジプトの風景のようなさ。だけど、あの夜のサウジアラビアでイメージが大逆転した。それともあの街のずっと奥に、シンプルで敬虔な世界が隠されているのだろうか…とにかく謎だ。
サウジアラビアには、基本的に商用や巡礼でしか入国できないんだって。そんな国を、海からじっくりと眺めることができたのも船旅ならでは。こんな場所だったんだって目が点になった国だったな。私たちが目にした噴水も後で聞いたら何と、紅海からの水を吹き上げる「世界一高い噴水」だったんだ。そんなものをたまたま見れたなんてホント面白い。何でも行って見てみないとわからないもんだね。自分の中にあるいろんな国のイメージは、その国のほんのひとかけらだ。
気がつけばそろそろスエズ運河もクライマックス。出口付近には塩田のようなものが見えて、真っ白な世界が広がっていた。エジプトという国を構成しているのは砂漠だけではない。サウジアラビアも然り。行って、見て、初めて知るんだ。たくさんの見たことないかけらが、そこにまだまだあることをさ。