突然の大都会。出発時の風景との余りの違いに目を疑いながらも、ひとまず首都クアラルンプールの街を散策してみようということで、有名なツインタワーの辺りから観光を開始することにしてみた。
駅の階段を地上に出たと思ったらおじさんがニコニコ顏で、「これがツインタワーだよ」って目の前の上空を指さした。おお、これが…とりあえず記念写真でも撮っておくか。そう言いながらおのぼりさんのようにポーズして写真を撮りまくる私たち。時間をかけてようやくひと通り撮り終えて歩き始めると、あれ?その隣にも同じくらいの高さのビルが…っていうか、これがツインタワーなんじゃない?
よくよく見てみると、さっきまで写真を撮ってた二棟のうち片方のビルは、ツインタワーの横にある何の関係もないビルだった。えーっと、間違えた?だけどおじさん、さっきこれだよって指差したよね?私たちが目で訴えかけようがおじさんは全く気にしていないようだ。なるほど、その大雑把な感じってアジアよね。
気を取り直してもう一度、笑顔でひと通り写真を撮りなおす私たち。今度はおじさんにもポージングを強要しつつ、おのぼりさんフォトを撮り終える。そして余韻を味わう間もなく、撮り終えた瞬間にササッと移動してもう次の場所へと向かう、私たちのこの興味の薄さ…ツインタワーを間違っていたことによく気付いたねって程だわ。
そうそう、このツインタワーにまつわる話なんだけどさ。20世紀の超高層ツインタワーとしては最も高いこの建物なんだけど、ちょっと驚きの話があるんだ。
この世に高い場所がある限り、登ろうとするのはクライマーの宿命なんだろう。フランスのスパイダーマンことアラン・ロベール…フリークライマーの彼はこのツインタワーに三度のチャレンジを試みた。何と素手の命綱なしで壁を登り、そのうちの二度は60階までいったという話だからその本気っぷりは半端ないよね。三度とも逮捕されて強制終了という、ちょっと切ないような可笑しいような逸話のあるこのタワー。観光でここに来て、上を見上げたら人が壁にぶら下がってたなんてマジ怖いけどね。
他にも、建設を日本と韓国で二棟を、フランスがスカイブリッジを受け持ったというグローバルさでも有名なこの建物。夜になるとライトアップされ、そのイスラム様式のフォルムが明るく縁取られてとても美しいらしいよ。