ピースボートデッキ > COLUMN > 番外編・ホクレア号の世界一周②〜Peace on the Boat trip〜
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シリーズ
SERIES:01 Vol.23
2018/01/25
番外編・ホクレア号の世界一周②〜Peace on the Boat trip〜 (4/5)
ハナレイは世界でも有数の美しいリゾートとして有名なビーチで、「ハナレイムーン」という名曲も生み出している美しい場所。沖の方には小さなクルーズボートが何艘も浮かんでいて、裕福な人々が世界各国からマイボートで遊びにきているという話だ。そのハナレイの波打ち際近くにある小さな浮き桟橋に、ホクレア号はちょこんと停泊していた。

 

その日は晴天の暑い一日で、船の周りではこどもたちが海に飛び込んだりしながら気持ちよさそうに泳いでた。私もホクレア号と一緒に海に浮かんでみたくて、ドキドキしながらゆっくりと海に入ってみたよ。

 

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ホクレア号の船体は双胴船で、カタマランと呼ばれている形。二艘のカヌーの間にある何畳かの空間にはマストや簡易キッチンが密集している。泳ぎながら近寄って船の下を覗いてみると、ちょうどその下がぽっかりと広い空間が空いたようになっていたんだ。私はすうっと導かれるようにその空間に入っていった。

 

なんて静かなんだろう…外のこどもたちの賑やかな声が遠く聞こえて、そこはまるで異空間だった。海の色は透き通ったエメラルドグリーン。外で波が行き来する感じとは違ってここは水面が滑らかなまま。なんかこの感じって知ってる気がする。そうか、羊水だ。きっとホクレア号のお腹の中なんだね。

 

空間全体に、水の中にぎゅっと満ちているものがある。そんな中に今、私はぽっかりと浮かんでいる。安らぎきった自分を感じる一方、どこか途方のなさを感じて…長くいると元の世界に帰れなくなるような気もする。もう何もいらない、ずっとここにいたいよってそう思ってると時間の流れさえ分からなくなった。ホクレア号ってホントにすごいな。私を色んな気持ちに導いてくれる。

 

お腹の中に私を含んだホクレア号。目を閉じて水に浮かんで、その空間と意識を合わせる。「私たちがどこからやって来て、どこへ向かっていくのか、それを深く知りなさい」そのとき私は彼女から(※)そう伝えられた気がしたんだ。

 

※船は一般に、よく女性として扱われる。英語では船を女性名詞で「she」と呼ぶ。

 

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PROFILE
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Hinata(フリーライター)
国内を転々と放浪した後、沖縄にたどり着き12年を過ごす。現在は神戸を中心に活動中。ハワイ好きでフラ歴もあり、ロミロミマッサージのセラピストとしての一面も持つ。好きなことは料理・物作り・音楽・読書・写真・旅などあらゆることに興味はつきない。ピースボートで世界一周の船旅(第90回クルーズ、第92回クルーズ)に参加、その物語を綴る。


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