話は遡って2007年、ホクレア号は日本にもやって来た。ハワイから日本へ6000キロの遥かなる旅。その最初の到着地である沖縄で、私たちは初めて出会うこととなる。
正直いうと最初、ホクレア号に特別興味はなかったんだ。映画で見てからホクレア号のことは知ってはいたけど、船というものにそこまで興味はわかないというか…女子だしね、ロマンって言われてもね~みたいな感じでさ。だから「ホクレア号がハワイから沖縄本島に来るから見に行くよ」って、近所に住む友人が言い始めた時かなり他人事のように聞いていたんだ。
当時、私は沖縄本島から離れた離島の西表島に住んでいて。沖縄本島までワザワザ船を見に行くなんて…って思ってた。だけど、日が経つにつれて何だかそわそわしてくるんだよね、何だか分からないけど会いに行かなきゃいけない気がしてさ。なんだろうね、この感じ。私はいつも直感で動くようにしているから頭ではその意味はわからなかったけど、とにかく従ってみようと思ったんだ。
当時ホクレア号が、ハワイから沖縄に伝統航海術だけで到着したということは結構凄いこととしてメディアでも取り上げられていて、県内外からも注目を集めてかなり盛り上がってた。そんな中、西表島から本島に行く私は、本島に住んでいる友人に久しぶりに連絡をとってみようと思ったんだ。
電話でホクレア号の説明をしようとした。そしたら彼女、なんて言ったと思う?「あ、それなら話が早い。一緒にスタッフとして動いてね。」ってさ。ん?どういうこと?実は、当時から彼女はメディア系の仕事をしていたんだけど、今回のホクレア号の沖縄入りをカメラに収めるべくスタッフとして数日間撮影することになっていたんだ。驚き!
そんな訳で、本島に着いて友人に会ってすぐ再会を懐かしむ間もなくスタッフTシャツを手渡され。間もなく始まろうとしているホクレア号と私との、深い縁が結ばれるスタート地点へと向かった。まさかその後、何年かに続くホクレアとの縁が待っているなんて…この時にはもちろん、全く思いもしなかったんだ。