ビースボートの船旅であちこち迷走したHinataの旅物語、「Peace on the Boat trip」。
笑いありハプニングあり、ちょっと不思議でほんわか緩まるHinataワールドへようこそ。
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何もないのは、モノゴトの始まり
ナミビアに到着。
船のデッキに出て辺りを見渡すと、そこにはすでに真っ白で細かな粒子が舞う異世界が広がっていた。建物も所々にある、だけどここでは砂の存在が何よりも主張されている。それだけでもうすでに日常とは違った不思議な感覚に陥るんだ。
船を出て少し散歩してみた。港を出てすぐの場所には即席マーケットがあって、地面に並べられた手作りの民芸品がかなりの安値で売られていたよ。反面、向かいの道路沿いは別荘地ストリートになっていて、その両者のコントラストがこの国の一面を物語っているようだ。
ナミビアは結局、前日からの体調不良もあってツアーには参加できず、私は港近辺のカフェ止まりだった。だから残念ながら、ホントのナミブ砂漠は体験していない。だけどその存在の一部である砂の微粒子を、道を歩きながらカフェにいながら、滞在していた一日中ずっと身体に感じ取っていたんだ。
きっとここでは砂漠を感じ取らないことの方が不可能なんだろう。それはどこにいても風と連れ立ってやってくる。そんな存在をサラリと身体に纏いながら、マーケットを横切り照りつける日差しを避けて歩き、たどり着いたカフェで海を眺めながらぼんやりと空想にふけてみる。