お盆。そんなのただのイベントでしょって思うかな。私は沖縄本島や離島も含めてかなり長く住んでいたから、向こうのお盆には何回も関わっていた。沖縄にいると霊感が強くなるっていう話があるけど、確かにそうなんだ。
何故かっていうと祖先崇拝、自然崇拝が色濃く残っていて、古い集落ほど目に見えない世界と深く関わりながら生活しているから。そんな中で一緒に長く生活させてもらったこともあり、鈍感な私でさえちょっと敏感に感じるようになったほどだよ。
生活の中で大切にされている「祈り」。その対象にある神様(自然)や祖先の御霊。メキシコの「死者の日」もそれと同じく祖先を「呼び寄せ」てもてなす儀式なんだよね。だから、ちょっとした軽いようなものじゃないんだ。
メキシコ寄港の前にグアテマラを訪れた時も、道の途中で「色とりどりに飾られた墓地」をいくつか見た。車の中からその風景を見て「写真を撮りたい!」って騒いでいた友人が、その直後に「急にすごい眠気が来た、何だこれは…」といいながら、意識朦朧に静かになり始めたのを横目に見ながら、うん、この感じもよくあるんだよなって思い出していた。
「受ける」と色々と反応が出るんだよ、この感じはまだ初期の段階。無意識に今朝は魔除けをしてきてたから、私はまだその時は元気だったんだ。まぁ、魔除けといっても塩をふる的な簡易なものだけどね。
メキシコに着いたその朝は、外はジメジメしていて日差しもキツく相当な暑さだった。じっとりと体に入り込んでくるようなその蒸した空気の中、私は街の中をあてもなくただ彷徨い歩いていた。