たどり着く先を知らない答えをどこまでも追いかけていると、いつでもあっという間に時が過ぎ去ってしまう。その合間に美味しいご飯を食べ、冷たいドリンクを飲み、また考えにふけったりを繰り返ししているうちに、気がつけばナミブの眩しすぎる日差しが少し緩み始めてきていた。隣のカフェの犬ものっそりと起き上がってどこかへ行ってしまった。
有るということではなく、無いということを考えた一日。
人は可能性というものを考える時、そのスタートラインは「今の自分、そこにある現状」としている気がする。だけどどこかで、何もない所からの方が可能性が広がっているように思えるのは何故なんだろう。きっとこれも時間という世界のトリックなんだろうね。迷った時には一旦ゼロに戻ってみる…するとそこに始まりの小さな渦のようなものが発生するのが見えるかもしれない。モノゴトの始まりはとってもピュアだ。その純粋さを「純粋なままに」育てていくプロセスが、もしかしたらどこかにたどり着くことよりも、大切なことなのかも知れない。
ゼロ始まりの世界がリアルさを持って私に飛び込んできたのは、何もない「ナミブ」のような場所だからこそだったのだろうか。
何もない国の一日が、今日もゆっくり過ぎ去ろうとしている。