マダガスカルでもツアーに参加したよ。バスで島の奥地に向かうと、動物と人々が一緒に暮らす保護区があってさ。そこではサルやホロホロ鳥やワニまで、色んな動物が野生の状態で人と一緒に生活をしてるんだ。人々はちょっと山手に入った場所で米を作ったりもしているようだった。バスに乗って外の仕事から帰ってきた人たちにも出会った。彼らはそこの広大な大地にちょこんとお家を建てて、自然の流れに沿って生きている様子だったよ。
散策途中で、不意に森の中で何かが動く気配を感じた。周りには誰もいない静かな森の奥…心臓が次第に高まってくる。立ち止まってドキドキしながら一点を凝視していると、そこからこどもたちが物音も立てずスルリと出てきて私を手招きしたんだ。もう、こんな野生感あふれる場所で驚かさないで〜。気を取り直して、呼ばれる方へとそっと近寄ってみたら、彼らの手の上で大きなカメレオンがじっとしていた。
その子たちの気配もまるでカメレオンが擬態してるかのように、森の中の空気と溶け込むようにして息も潜んでいた。動物と一体感があるって凄いよね。大地だけでなく、動物ともシンクロしている彼ら。森の中から気配もなくスッと現れてくる彼らを見ていると、人とか自然とかのラインなんてないような気がしてならない。ホントにさ、ひとつなんだよね。
山をでて今度は海に向かった。崖の上から見える広い海に、遊んでいるこどもたちが遠く小さく見える。何か、天国のような風景だな。こどもたちの笑い声がここにいても届いてくるようだよ。そのあまりの美しさに目を細めながら、マダガスカルを体全体で感じてみる。