マダガスカルの最初のイメージとしては、とにかく物売りがすごかった。物売りの人々の勢いに押されて、どんどんとこちらの笑顔も口数も少なくなってくる。大人を真似て物売りするこどもたちも何か硬い表情。だけど、たぶんその子たちとホントに出会えるかどうかってのは、きっとそのあとのシーンだと思うんだ。
こちらが勝手に遊びだしたら、さっきまで無表情で物売りしてたこどもたちが、なになに?何してんの~って興味深々に近寄ってきて私たちの真似をしだす。そこから彼らが彼ら自身に戻っていくんだけど、私たち自身もそうなんだよね、変なとらわれがなくなっていくんだ。結局はいつも、そこで起こっている何かに反応して終わるだけじゃなく、こちら側も常に自分自身を出してるか?ってことがきっとポイントで。大切なことを教えてもらったなぁって思った。まあこれが、相手が大人だったりするとまた難しいんだろうけどさ。彼らの生活もかかっているからね。
比較的、生活にゆとりのある国では強引な物売りはいなかったな。道売りしてても、売りつけてくる感じはそこまでなかった。だけどその分、出会いの密度もそこまで濃くはないから旅から戻ってからの記憶も少し薄い。そして思い出すのは、物売りのこどもたちと遊んだ記憶。どうやったら、短い滞在時間の中で心の交流ができるんだろう。
買い物は交流のひとつ。会話もするし互いにやり取りがあるから。値引きだって、ひたすらまけてと言いっぱなしでなく、相手の言葉を混ぜて楽しくやればその場の雰囲気も良くなるんだって、交流上手な友だちを見てそう感じたなぁ。街中でダンスを披露して交流してた子もいた。これは言葉の壁を越えて届く、素敵な表現方法だよね。ニコニコと笑顔でいるだけでも、結構いい。写真撮るときなんかは特に気をつけてるんだ。そうすると撮った時の人々の反応が、ホントに違う。色んな国で写真撮ったけど、笑顔が返ってくる時の方が多かったな。