街を散策してみようと引き返してみると、さっきまで賑わっていた街中は何故かシャッターが閉まり、ガランとしていた。閉店するには余りにも早すぎる時間帯。そうだきっと、シエスタの時間なんだろうね。お昼休憩を長くとってお昼寝したり、自分のための時間を持ったり…そういう時間の使い方も素敵だって思う。
街を抜け大通りに出て、遠くまで続く山並に沿って歩く。広くなだらかな斜面におウチがポツポツと点在する姿を見ていると、ここでの生活はどこか広々とした感覚を伴っているんだろうなぁっていう風に感じられるんだ。それなりに都会でもありながら空間も時間も、ちょうどいいくらいにある。
ランチの後にはやっぱりスイーツ!だいぶ歩いてから小さなカフェを見つけて、コーヒーとミルフィーユを注文してみたよ。食文化もまた、フランスそのままのものが至る所にある。だけど、景色を見渡すとフランスとは程遠い南国感。椰子の木に青い海、のんびりとしたムード。ここはフランスですよって言われてもなんだかピンとこないなぁ。けど、フランスの良さと南国の良さがミックスしているから一度で二度お得な感じなのかも知れないね。
フランス人の友人でさえも、よくわからないと言っていた「クレオール語」。フランス圏だけど独自に発展した言葉や人々。帰りのバスの中で、イスラムの正装をしたアフリカ系のおじいさんに、フランス語で話しかけられたよ。そんな存在だけでもここが素敵な場所なんだって思う。色んなことには本来、何の縛りもないよね。全てを受け入れた存在は、大きくて優しい。
フランスの植民地時代を経てフランスの海外県となったレユニオン。このおじいさんの祖先がどういう経緯でこの島に渡ったのかは分からない。悲しみを伴っていたのか、喜びに誘われたのか…だけど、今ここで暮らしている彼らはそのまま、丸ごと「レユニオン人」なんだ。レユニオンの人達は自分たちのことを総称としてReunionnaiseと呼んでいる。そう、誇り高く、あるがままに。