『ニカラグアの寄港地コリント。初めて聞く地名に、ガイドブックを見てもほとんど情報がない国。最初はそんな国で2日間も何をしようと考えていました。しかし、実際に訪れてみると、温かい人々に豊かな自然、とても魅力的な国でした。』
そう語るのは中南米を3ヶ月間バックパックで旅をし、ライターの経験もある大阪出身の「リョーマ」こと髙橋諒馬さん(25)。TWITTER / INSTAGRAM
南米の旅をきっかけにもっと世界を見てみたい。知りたい。そして、自己成長やスキルを学んでいきたいと思い、ピースボートに乗船。「Travelers Boat」として積極的にプログラムに取り組んでいます。そんなリョーマのコリント2日間の旅はどうだったのでしょうか。
【Travelers Boatとは?】
ピースボート95回クルーズ!涙が出る程に美しい奇跡的なオーロラの景色を見ることができる104日間の世界一周の船旅。「Peace Boat Deck/ピースボートデッキ」では、世界一周団体「TABIPPO」と「ピースボート」によるコラボ船上プログラム「Travelers Boat」のメンバーが「ブログ、SNS」を通して実際に世界に足を運び肌で感じたありのままの様子をお伝えします。
コリント港で音楽隊の熱烈歓迎!
ニカラグア・コリントの港に入港したピースボートを待ち受けていたのは、地元の人々による熱い歓迎でした。船が入港すると間もなく音楽隊によるパレードが始まり、港は一気にお祭り騒ぎ。乗客の下船が始まると、学生たちによる楽器演奏とチアダンスが行われました。一通りパフォーマンスが終わると、その後は大交流会。つたないスペイン語を使いながらコミュニケーションをとったり、記念撮影をしたりと大盛り上がりでした。
政府主催のピースフェスティバル
夜はニカラグア第2の都市レオンで、ピースボートのコリント寄港を記念して、ニカラグア政府主催のピースフェスティバルが開催されました。日本側からは和太鼓やエイサーの出し物を行い、ニカラグア側からは無形文化遺産にも登録された伝統的なダンスの発表が行われました。他にも会場の近くには出店がたくさん立ち並び、夜遅くまで喧騒が絶えることはありませんでした。
世界遺産・レオン大聖堂
一夜明けたレオン大聖堂。昨夜のお祭り騒ぎが嘘のように、静けさを取り戻したのどかな朝となりました。レオン大聖堂は19世紀初頭に完成したカトリック教会。中米最大の規模を誇り、2011年に世界遺産に登録されました。教会の前にはレオンの象徴であるライオンの像が雄々しく鎮座し、白亜の建物が太陽に照らされ眩しく輝きます。レオン大聖堂は屋根に上がることもでき、そこからの景色も街を一望することができて最高です。
もう一つの世界遺産、レオン・ビエホ
ニカラグアには世界遺産が2つあり、もう一つはレオン・ビエホです。レオンからはタクシーで1時間半ほどの場所にあり、「旧レオン」を意味するレオン・ビエホ。かつてレオンは入植したスペイン人の手によってこの地に築かれました。しかし、火山の噴火と地震によって街は破壊され、現在のレオンに移されることになりました。現在は住居跡などがわかるように復元され、スペイン人による植民地の歴史を知るうえで重要な遺跡となっています。
自然の宝庫、マナグア湖
レオン・ビエホはニカラグア第2の大きさを誇るマナグア湖のほとりに位置しています。マナグア湖は遺跡の近くにあるモモトンボ村から徒歩10分ほど。民家がまばらに立ち並ぶ田舎の原風景を歩いていると、庭先からは楽しそうにおしゃべりする声が聞こえ、ブタやニワトリなどの家畜がそこら中を歩き回っています。小さな森を抜けると一気に視界が開け、目の前には人の手が入っていないそのままの自然が広がります。湖畔では馬が水を飲み、水鳥たちが飛び回ります。背後にそびえるのはいまだに噴煙を上げる続けるモモトンボ山。レオン・ビエホ誕生の要因となった火山です。
旅人の中でもほとんどの人が訪れたことがない国ニカラグア。もしかしたら初めて聞いた方もいるかもしれません。しかし、今クルーズ・ピースボートのコリント寄港を国を挙げてこんなにも歓迎してくれた国は他にありません。革命の爪痕もいまだ完全には癒えず、決して豊かな国とは言えないニカラグア。それでもこの国の人々には、訪れた人々をもてなすという温かい心が強く根付いていました。
(取材・文・写真/髙橋諒馬)