レポート
REPORT Vol.033
2017/07/04
姉妹でピースボートに乗船!離脱を駆使して作り上げた私たちだけの世界一周【ピースボートの旅ブログ】
ピースボート第94回クルーズは、北欧を周りながら地球一周する105日間の船旅。「ピースボートの旅ブログ」では、世界一周団体TABIPPOとピースボートのコラボ船上プログラム「TRAVELERS BOAT」のメンバーが、寄港地や船旅の様子を感じたままにお伝えします。
千葉県出身の「あねー」こと小山雪乃さん(25)。
もともとバックパッカーで世界一周をすることが夢だった彼女ですが、両親に猛反対されたことがきっかけで、他に世界一周をする方法はないかと模索した末に出会ったのがピースボートでの世界一周だったそう。今回はなんと、妹さんを誘って姉妹で乗船しています。
ピースボートクルーズで世界一周しながら、“離脱”をすることで行きたかった国にも訪れ、文字通り“オリジナルの世界一周”を作り上げている姉妹。あねーから、「私たちだけの世界一周」旅のストーリーが届きました。
私は、妹といっしょにピースボートに乗船しています。
始まりは、「バックパッカーで世界一周」を両親に猛反対されたところからでした。何か別の方法で、旅が出来ないか考えていた時に、ピースボートの「離脱(※)」という制度を利用することで、世界一周を自分たち流にカスタマイズできると知りました。
※離脱とは・・・途中の寄港地で一旦船を降りて、自分たちで旅をして、また別の寄港地で合流すること。
私たちの世界一周のルートは、自分たち流にカスタマイズしているので、船で行く世界一周のルートと少し異なります。
94回ピースボートクルーズのルート【23都市】
横浜-シンガポール>プーケット(タイ)>コロンボ(スリランカ)>ピレウス(ギリシャ)>カリアリ(イタリア)>バレンシア(スペイン)>ポルト(ポルトガル)>ル・アーブル(フランス)>ルーアン(フランス)>コペンハーゲン(デンマーク)>リガ(ラトビア)>サンクトペテルブルク(ロシア)>ヘルシンキ(フィンランド)>タリン(エストニア)>ストックホルム(スウェーデン)>ベルゲン(ノルウェー)>レイキャビク(アイスランド)>ハミルトン(バミューダ諸島)>ラグアイラ(ベネズエラ)>クリストバル(パナマ)>コリント(ニカラグア)>アカフトラ(エルサルバドル)>ホノルル(アメリカ)>横浜
私たちのルート【44都市】※太字が離脱で訪れた国です。
横浜>シンガポール>マレーシア‐マラッカ(マレーシア)>プーケット(タイ)>バンコク(タイ)>カンチャナブリ(タイ)>アユタヤ(タイ)>ハノイ(ベトナム)>ダナン(ベトナム)>ホイアン(ベトナム)>ホーチミン(ベトナム)>ヤンゴン(ミャンマー)>ピレウス(ギリシャ)>カリアリ(イタリア)>バレンシア(スペイン)>マドリッド(スペイン)>トレド(スペイン)>バルセロナ(スペイン)>パリ(フランス)>モンサンミッシェル(フランス)>ザグレブ(クロアチア)>ドブロブニク(クロアチア)>クラクフ(ポーランド)>リガ(ラトビア)>ヘルシンキ(フィンランド)>タリン(エストニア)>ストックホルム(スウェーデン)>ベルゲン(ノルウェー)>レイキャビク(アイスランド)>ハミルトン(バミューダ諸島)>ラグアイラ(ベネズエラ)>クリストバル(パナマ)>コリント(ニカラグア)>アカフトラ(エルサルバドル)>グアテマラシティ(グアテマラ)>カンクン(メキシコ)>ロサンゼルス(アメリカ)>ホノルル(アメリカ)>横浜
ピースボートの船旅日数が105日間ある内、私達が離脱するのは45日間。
見て頂いてわかるように、離脱をしたことで、船で行くルートよりも21都市多く回っています。元々、バックパッカーで旅をする予定だった私たちには、譲れない、絶対に行きたい場所がいくつもありました。そんな沢山の場所を訪れたい私たちにとって、離脱は最適な手段でした。
「ピースボートの乗船費用の支払いだけも大変なのに、離脱って更にお金がかかるんでしょ?勿体なくない?」という方のために、私たちの予算についてお伝えします。
「世界一周しよう!」と思っても、なかなかすぐに行動に移せるものではないですよね。私たちも最初に計画を立て始めてから、実際に出発するまでには1年半くらいの月日があり、その間に妹と私の2人分の旅の軍資金を貯めていました。まずは、ピースボートの乗船にかかる費用ですが、今回乗船した94回クルーズでは、29歳以下だけの限定料金で、70万円で乗船することができました。それに、ポートチャージやビザ代金などの諸経費を含めて1人約80万円が最初にかかります。私と妹との2人分なので、その金額が約160万円です。
そして、気になる離脱分の費用ですが、離脱していた45日間の宿泊費、航空券、食費、お土産代など全て含めて、一人分の予算が約40万円です。航空券に関しては、目的地になるべく近い寄港地からのチケットを事前に予約することでかなり抑えることが出来ました。宿泊費も、2人だと比較的安価なゲストハウスの個室を予約することができるので、1人でドミトリーに泊まるよりも安く済むことが多いです。
キッチン付きの宿では、現地の市場で調達した食材で自炊することもありました。勿論、その土地で有名な料理は毎回調べ、予算と相談しながらローカル店で食事することも多かったです。
自炊したパスタ、2人分で500円程でした。
次に、私達が旅で見つけたお気に入りの街を紹介したいと思います。
タイなどのアジアや、スペインも大好きですが、個人的に一番好きな国はクロアチアです。「ザグレブ」「ドブロクニク」の2つの都市を訪れました。ザグレブはクロアチアの首都。可愛い雑貨や洋服、アクセサリーが沢山あって、美味しいお菓子のクリームシュニテが有名で、女子には外せないこと間違いなしの街。しかも物価が安いので、思わず大量買いしてしまいます。
こちらは市内にある教会。外観がとても可愛らしいです。
市内を散歩していたらこんな可愛いものが次々に出現します。
そしてお次はこの植物園。沢山の種類の花と植物に囲まれているんですが、入園料はかかりません。新緑に癒されました。
1時間で植物園の半分しか見れないほど、とても規模が大きかったです。
「ドブロクニク」という都市は、ジブリ映画の「魔女の宅急便」の舞台になったとも言われています。
赤い色の屋根が続く街並みは本当に綺麗でした。
そして、なによりクロアチアを好きになった理由、それは、人との出会いです。
近所の子供がサッカーに混ぜてくれたり、「I love Zagreb!」と言いながら朝ごはんご馳走してくれるおじさんがいたり。
道に迷ったら、ランニング中にも関わらず「案内するから一緒に散歩しよ!」って言ってくれた人もいました。
夜ご飯は、現地で仲良くなった日本人旅行者の「りょうさん」と一緒に食べながら、「クロアチアの人たちは最高だね」って話をしていました。
夜ご飯にクロアチアで食べたシーフードリゾットは本当に美味しかったです!!
ゲストハウスに泊まって夜まで飲んだり、時間を気にせず遊べたり、航空券や宿泊を全部自分達で手配することで冒険している感じを味わえたり、離脱には沢山メリットがあると思います。
こうした良い思い出があるその反面、アクシデントもありました。
アクシデント1:チェックインしようとした宿の部屋がメンテナンス中だった。
夜の22時にチェックインしようとした宿の部屋がメンテナンス中だったため、当然宿泊は出来ません。宿主から同じ料金で泊まれる別の宿に移動するように言われ、深夜に眠くて疲れている中移動をする羽目に。さらに、移動した先の宿の料金が土日でプラス料金となっており、差額分を請求するのに翌日の朝に再度、泊まる予定だった宿を尋ねなくてはいけませんでした。
アクシデント2:飛行機が定刻通り出発せず、一日を無駄に
LCCの空港会社でパリに向かう予定でしたが、飛行機機材の不具合があったため予定通り出発せず、結果的に15時間遅れて目的地についたこともありました。そのおかげで、パリの観光が丸1日潰れてしまい、とても悔しい思いをしました。
ですが、こういったアクシデントこそ、旅の思い出を色濃くしてくれると思っています。
深夜3時、ようやくたどり着いたパリの日本人宿では、オーナーさんが労をねぎらって手料理を振舞ってくれました。
また、朝起きると、なんとミルフィーユが!パティシエ見習いの管理人さんが作ってくれたものです。
アクシデントもありますが、それ以上に、予想外の人の優しさに触れることがとても多くありました。こういったところが、旅の魅力なのだと思います。
当然、船の中も思いきり楽しんでいます。まずは、食事。バックパッカーだと、どうしても現地の屋台料理や、ゲストハウスでの自炊が主となるので栄養が偏りがちです。船に戻った時の健康に優しい美味しい料理は、旅の疲れを癒してくれます。
また、船内企画も沢山参加をしました。
TRAVELERS BOATのみんなで紅白歌合戦に出場しました。船内で毎日「恋ダンス」の練習をして、寄港地でも素晴らしい景色を背に踊って、みんなで盛り上がりました。
また、卓球・麻雀・将棋・囲碁・人狼ゲーム・トランプ・ヨガ・ズンバダンス・外国語…など、新しく習得する機会も多くありました。
スタッフの方が、「何か1つでも出来ることが増えると、今後の人生がより豊かになります。」と仰っていたのが、とても印象に残り、1つは習得しようと始めたのが将棋です。まだまだ初心者ですが、将棋の奥深さや楽しさに触れ、今後もコミュニケーションのツールのひとつとして腕を磨いていきたいと思えるものです。
更に、ピースボートに乗っていなかったら行かないであろう、カリアリ・バレンシア等の港街に行けたこと。
そして、船でしか行けない北極圏やフィヨルド遊覧などは、大迫力で、自分たち離脱中の旅とはまた違った良さが満載でした。
私たち姉妹が離脱する時には、沢山の船の仲間が送り出してくれます。「気を付けて、無事に帰ってきてね!」「お土産話待ってるよ!」そして、帰ってきたときには「お帰り!」「旅はどうだった?」といって暖かく出迎えてくれました。
船がホームのようで、離脱から帰ってきて船が見えた時には、毎回ほっとしています。
当然、離脱中の船を利用しなかった分のお金が戻ってくることはありません。
ですが、私たちのような女性2人が、より快適に、より安全に世界一周をする費用だと思ったら、そこはあまり気になりませんでした。
私達のように姉妹で乗船していない方でも、ピースボートで出会った友人同士で離脱をしている人も沢山います。1人では不安という方も、船内で最高な仲間が出来ることは間違いないので、誘いあって計画するのも楽しいと思います。船内で気になる人を誘って、数日間、ヨーロッパを2人で旅をする・・・なんて、考えただけでもわくわくしますよね。
あなたも、ピースボートの快適な船旅に、ちょっと自分の個性を加えたルートを組み込んで、自分だけの世界一周ルートを考えてみてはいかがですか?
(取材・文・写真/小山雪乃 写真提供・編集/原田ゆみ)