ピースボート第93回クルーズは、南半球を船でめぐった世界一周の旅。本シリーズ「ピースボートの旅ブログ」では、仲間とともに船上生活や寄港地トリップを楽しんだパッセンジャーが、世界に飛び込み、自分の目で見て、こころで感じたあれこれを綴ります。
かねごんこと金子真さん(23)は、大阪出身の関西人。大学進学を機に沖縄に移住し、帰国後は海でライフガードとして働きながら教師を目指すことを決めています。「将来、生徒にやりたいことをやれって言いたいけど、自分自身がしてないことに気づいた。」というかねごんは、大学2年生のときに本で知って書いていた「人生でやりたいこと100のリスト」の一番上にあった「世界一周」をしようと決めました。
人生初の海外旅行で世界一周を達成したかねごんが、「しとけばよかった!」と後悔していることを、これから旅に出る人たちにシェアしてくれました。
一眼レフと水中カメラ買っとけばよかった
画質のよいスマホのカメラで満足していたのでカメラを旅に持っていかなかったのですが、結果、後悔。ある程度は満足できたけど、満点の星空や視界一面に広がる色とりどりの珊瑚などを日本にいる家族や友人に伝えられないもどかしさがこみ上げてきました。
facebookのアカウント名をローマ字にしとけばよかった
現地で話が盛り上がり、仲良くなった友達がいます。「また来るよ!」「次は日本で!」なんて会話からfacebookの交換をするタイミングもしばしば。Wi-Fiがないので「あとで検索して」ってなった時に、アカウント名が漢字だと「あ…ごめん。」って申し訳ない気持ちになります。
動画を撮っておけばよかった
勢いよく流れる滝、地元の子どもたちの笑い声、美しい海のさざ波、どこからか聴こえる街の音楽…。美しいものやインパクトあるもの、感動したものをついつい写真におさめがち。でも、その場所では絶えず何かの音が聞こえたり、動いていたりします。動画に残しておけば、空気感ごと残したり誰かにおすそわけできるかも。
メモしとけばよかった
細かいことをいちいちメモするって、ついおっくうになりがち。でも、毎日色んな景色や色んな人に出会う旅では、やっぱり忘れていくことも多くて…。特にメモしとけばよかったと思うのはクレジットカードの支払い金額と出会った人の名前。覚えておけると思ったら無理でした。クレジットカードは使った総額が見えないからいくらまで使えるのか不安になってきます。気付いたら旅の後半が節約旅行になるので気を付けて。
瞑想してみればよかった
瞑想することで、街の空気や暖かさ、音などの空間をまるごと全力で感じられたのでは?と思います。世界一周旅行で訪れた場所には、それぞれに個性がありました。街歩きを楽しむ寄港地では、その街にしかない独特の匂いや音、空気の温度や湿気。大自然系の寄港地では、草原に心地よい風が吹いている。そこでただただ息をして、空間を感じることで、より一層自分がその場所にいることを実感できるような気がします。
Wi-Fiがなくても使えるアプリをダウンロードしとけばよかった
翻訳アプリや地図アプリなど、事前にダウンロードしておけばWi-Fiがなくても使えるアプリがあるそうです。道を人に聞くのも、片言の言葉とボディランゲージで話すのも旅の醍醐味だけど、人がいない!話がぜんぜん伝わらない!ってピンチも旅に付き物で…。そんなときに、保険としてあった方がいいかも。
必要最低限の現地語は覚えといたらよかった
「こんにちは!」「ありがとう!」はともかく、この言葉を現地語で覚えておいたらよかったという機会が多々あったので紹介します。
トイレはどこですか?
全力でトイレを探しているときに「トイレット」が通じない焦り。だいたいの国では通じるが、通じない国や人もいるので現地語で覚えておかないとジェスチャーや絵で必死に伝えなければならない。
エクスチェンジはどこですか?
通貨がドルではない国、クレジットカードが使えない場所、バス等で小銭が必要な場合など、どうしても現地通貨で行動しなければならない時がある。そんなときにエクスチェンジの単語が解らなければ「ドル?ユーロ?チェーンジ!チェーンジ!」などといった体当たりな会話になってしまう。
あなたのお名前は?
友達になった、もしくは惚れてしまったなんてとき。色んな人に出会う旅にとってこの言葉は欠かせない。覚えておかないといざというとき「(自分を指差して)カネコ!カネコ!(相手を指差して)ネーム?ネーム?」なんて失態になりうる。
むっちゃいい
観光地に連れていってもらったとき、国の感想など聞かれたときにこの一言があるだけで相手は相当喜びます。勧められた食事やドリンクの感想を伝える時など、さまざまな場面で使えるので覚えておいたら便利です。
本当にお金がないです/もう少し安くしてください
日本では値札があるのが当たり前だが値札をつけない店も少なくない。日本人観光客はお金持ちだと思われているので本当にお金がなくても伝わらない。値段交渉をする際にお金がないけどこれは気に入っているんだ!という心からの叫びを伝えるためにもこの言葉は必須である。
買わないです/他の店まわってきます
商売はどこの国も盛んだが、日本よりも押しが強い国もたくさんあった。手に取るだけで値段を言ってきたり、似合う似合うと強く勧めてくる。「もういい。」と言っても「じゃあ、いくらなら買うの?」と言われる始末である。そこから立ち去るためにも意思表示の言葉を言えないと引くに引けなくなる。
あなたのおすすめは?
ローカルな食事を楽しみたい。店主のおすすめの飲み物や土産物を買いたい。というときに使いたい一言。おすすめを聞くことで会話が生まれる。そして、ガイドブックには載らない現地の人に親しまれたものに出会える。この言葉が出てこないと「(メニューなど全部を指差して)ナンバーワン!ナンバーワン!」なんてことをいって結局伝わらない。
産地
スーパーなどにいって現地のコーヒーやお菓子を買いたい!なんて時に輸入のものを買ってしまっていたら少しショックをうける。買うからには現地の食べ物や飲みものを買いたくなると思うのでそういうときに役立つ。
日本のものを持ってたらよかった
海外に出るということでどうしても意識が外に外に向いてしまう。が、出会う人々は小さな島国、日本に興味津々である。「日本はどんな国なの?日本の風景を見せてよ!ピカチュウ知ってる?」なんてこともしばしば…。そんなときに写真や硬貨、漫画や折り紙を持っていると話が弾むと思われる。
土産としてポストカードを作ればよかった
旅をすると色んな食べ物や飲み物、手芸品に出会う。あの人にもこの人にもお土産を買わないと!と思うと金は減るわ、荷物は増えるはで困ってしまう。そのときに、自分のとった絶景をポストカードに変えて日本の友人や家族にメッセージを書いて渡すとそれだけでたったひとつの土産物になる。何だかよくわからないマグネットやキーホルダーよりも大層喜ばれる土産になるだろう。何か頼まれている場合は話は別だが。
ぬいぐるみを持ってたらよかった
絶景で写真を撮る。…すると、インターネットで拾えそうな画像ができ上がってしまう。なんか自分だけの旅として写真にオリジナリティが欲しくなる。ぬいぐるみと旅することで写真にもオリジナリティが出るし、SNSにあげるときも自撮り写真ではなくぬいぐるみをあげることで好感度が上がりそうだなぁと思ったり。
まとめ
準備不足での後悔も旅の醍醐味。
なんだかんだいい想い出になっちゃうんだけど準備次第で楽しめること、深まる縁もあると思う。
とはいえ、結局このアドバイスどおり準備しても、失敗や後悔は出てくると思うから、結論は、「旅では、失敗さえも楽しむことが大事!」
おわり。
(取材・写真・文/金子真 編集/浅倉彩)