ピースボート第93回クルーズは、南半球を船でめぐった世界一周の旅。本シリーズ「ピースボートの旅ブログ」では、仲間とともに船上生活や寄港地トリップを楽しんだパッセンジャーが、世界に飛び込み、自分の目で見て、こころで感じたあれこれを綴ります。
ちかちゃんこと東入來智佳さんは、「ずっと行きたかった」ピースボートで「ずっと行きたかった」ウユニ塩湖とタヒチにいける第93回クルーズに「今しかない!」と仕事を辞めて乗船。船内では、乗船前から興味があったという新聞局に参加し、その様子を綴ってくれました。
約100日かけて世界を一周するピースボートクルーズ。毎クルーズ、寄港地についての情報は色々あるけれど、洋上での船内生活って一体どんな感じなんだろう?そんな疑問を持つ方に、第93回クルーズを経験したわたしのケースを紹介したいと思います。
船内生活の過ごし方は、本当に人それぞれ。選択肢は、水先案内人(「水案」と呼ばれるトークゲスト)の講座を聞きに行ったり、自主企画を立てる、もしくは参加する、友人と集まって喋る、お気に入りの場所で本を読む、船内チームに参加する、などさまざまで、みんな自由に行動しています。
わたしはこの中で、「新聞局」という「船内チーム」に参加しました。
ピースボート船内で記者の仕事にチャレンジ
船内にはピースボートの運営のお手伝いをするチームが6つあります。企画、新聞、ブッカー、映像、PA(音響)、ピーセン。この中で私は、新聞局に参加しました。
ピースボートには「船内新聞」というものがあり、毎日、キャビン(船室)に1人1枚届きます。内容はさまざまで、翌日に行われる講座や企画のタイムスケジュールを中心に、船からのお知らせ、コラムや乗船者の紹介など。
わたしのように新聞局に参加した乗船者は、「乗船者紹介」や「コラム」、寄港地の日の新聞に掲載されるイラストを、主に担当します。わたしは、文章を担当したのですが、「文章」と一口に言っても乗船者紹介とコラムはまったく別物。
「乗船者紹介」は実際に取材対象となる乗船者の方に連絡をとり、取材をするところから始めます。自分で取材交渉し、OKであれば日にちを決めて取材をおこないます。この取材で人物を深く知ることが出来るのは本当に楽しいです 。「どんな風に生きてきたのか」「なぜピースボートに乗船しようと思ったのか」話が尽きず取材時間が2時間以上にも及び、後で記事にするのに困ることも多々あります。お話を全部載せたいけれど、約500字と決まっている中でどこを持ってくるか、私にとって一番悩むポイントです。
コラムは自分が書きたいと思ったテーマや実際にツアーや自主企画に参加して感じたことを比較的自由に書きます。こちらは、自分の色が出せるところなので、書いていて楽しかったです。
誰かに読んでもらう文章を書く、という初めての経験
ピースボートに乗るまでは、日記みたいに自分の中だけにとどめておく文章を自分の好きに書いていたけれど、今回読み手がいる文章にチャレンジしてみてすごくいい経験ができたと思ってます。締切に追われることも、新鮮でした。

新聞局長の岡田哲さん。お世話になりました!
そして、何より嬉しかったのは、約1000人もの人に読んでもらって反応がもらえること。
途中、締め切りに追われて「書くのがいやだなぁ」と思った時期もありましたが、投げ出したくない、という気持ちで続けました。書くと記事の最後に名前が載るので、周りの人たちから「よかったよ」とか「こんなこと書いてよ」と言ってもらえたからこそ、最後まで続けられたと思います。
地球一周の船旅、約100日もの長い時間をどう過ごすかは人それぞれ。わたしは新聞局に参加したことで、とってもいい時間を過ごすことができました。
(取材・写真・文/東入來智佳、浅倉彩 編集/浅倉彩)