ピースボートデッキ > COLUMN > 【リアルパッセンジャーレポート】ピースボートで働くということ
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レポート
REPORT Vol.007
2016/11/02
【リアルパッセンジャーレポート】ピースボートで働くということ

 

現在、中南米の国々を航海中の第92回クルーズからはじまった、世界一周団体TABIPPOとピースボートのコラボ船上プログラム「TRAVELERS BOAT」。一般乗船者でもあるトラベルライターが、フレッシュな旅のレポートをお届けします。旅の最中にしか書けない「リアルパッセンジャーレポート」をどうぞご覧ください!

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リアルパッセンジャーレポート第5回を書いてくれた中村佳織さんは、神奈川県出身の24歳。13歳の時にブラックミュージックを好きになり、アフリカにルーツのある文化や発展途上国に興味を持った佳織さんは、国際協力活動のボランティアをしにバンクラディッシュにホームステイをした経験があります。
20歳でIT業界に就職する時に「25歳まではがむしゃらに仕事をして、成長してから好きな事をしよう」と決め、SEの仕事に打ち込んでいたところ、24歳の時にトラベラーズボートの応募情報に遭遇。見た瞬間に「これは私のため言っているな。」と思い、その場で応募しました。そして、このピースボートクルーズをやりたい事を始めるスタートにしようと決めたのだそうです。
そんな佳織さんが船の上で出会ったのは、寄港地でのオプショナルツアーをつくる仕事人。「やりたい事」を軸に仕事をしてきた先輩から、どんなお話を引き出したのでしょうか?

国境を越え、世界じゅうの人と関わる仕事

ピースボートクルーズには観光や交流などを目的とした、様々なオプショナルツアーがあります。そんなオプショナルツアーを担当しているのは、株式会社ジャパングレイスの寄港地部です。ここで働く菊池 真希子さんに、ピースボートクルーズをつくる立場で働くことについて教えていただきました!

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寄港地部とは、ピースボートクルーズの魅力のひとつであるオプショナルツアーをつくる専門部隊です。寄港地部の方は表舞台にあまり出ていないため、乗船者が知る機会は少ないですが、世界一周をより充実した旅にするために欠かせない部門。
菊池さんは、オプショナルツアーの企画から受け入れ先の現地の方との調整、パッセンジャーの体験を豊かにするための日程表の作成など、オプショナルツアーに関わることは全てやります。コースを企画して、行き先へのアポイントメントを取ったり、交流できる施設や団体を探すことなど、ゼロから手づくり。例えば交流コースの場合、事前に1週間~2週間ほど現地へ行き、コースの内容やスケジュールを決めます。

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「ツアーのつくり方は誰かに教えてもらうわけではなく、国によってケースバイケースです」と菊池さん。ゼロからツアーをつくる仕事はもちろん初めてだったため、「訪れる場所を探して、電話をして、実際に訪れるというプロセスを経て、本当に手づくりをすることに驚いたし、とても大変だけどやりがいがあって楽しい」と話してくれました。

アジア雑貨の買い付けからキャリアをスタート


もともとハンディクラフトがとても好きで、アジア雑貨の買付けの仕事をしていたという菊地さん。「人の手でつくったものが自然の美しさを超えるということがすごく好き」という気持ちで仕事に取り組んでいたところ、「10ドルで仕入れたものを5000円で売っていることに違和感を感じて、自分の仕事に疑問を持った。」のだそうです。「もっと仕入先の現地の方々のためできることはないのか」と調べている時にフェアトレードのことを知り、(フェアトレード商品だけを扱う雑貨店)「People Tree」で働くために留学をしてその夢を叶えました。

「People Tree」では、フェアトレードのことをたくさん理解することができたし、働いている人たちも素敵な人ばかりだったけれど「やっぱり現場が見たい。」という気持ちが強まった菊池さんは、コミュニケーションコーディネーター(通訳スタッフ)としてピースボートクルーズに乗船。その縁で、現在の寄港地部の仕事に就いたことを教えてくれました。なお、ピースボートの船上でも「People Tree」の商品を購入することができます。

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仕事を通して、さまざまな国の人と心をかよわせる

菊池さんは、「あなたがいるから、このツアーに協力しているんだよ。」と、現地の方が寄港地部の先輩に言っているのを聞いて、人と人との繋がりがあるからこそまた受け入れてもらえることを実感したのだそうです。それからは、打ち合わせをするだけでなく、現地の方の家に泊まらせてもらって、からあげや手巻き寿司を作りお互いの文化を知る時間を作るようにしていると教えてくれました。そうしたことで、住んでみないと分からない現地の文化を紹介してもらえたとも話してくれました。

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「結局は人と人。」
先輩たちが信頼関係を築いてきたからこそ、ピースボートにしかできないツアーができあがっていて、それを終わらせてはいけないと思いながら仕事をしているという菊池さん。「現地の方との繋がりがあるからこそ、参加者が積極的に交流している姿に感動する」という言葉から、ツアーに対する熱い想いが伝わってきました。

インタビューを終えて


私は学生の頃に、日本にフェアトレードを広めることを目的とした団体に所属していて、People Treeにもよく足を運んでいました。その経験があったからこそ、今回このインタビューの機会をいただけたと思います。オプショナルツアーを本当にゼロからつくりあげていることに驚いたのと同時に、「結局は人と人。」と話してくれたことには、非常に共感しました。
私は過去にバングラデシュやフィリピンに長期滞在する自立支援活動を行ったことがあったため、ピースボートの1日や2日の交流ツアーはとっていませんでした。

でも今回のお話を聞いて、考えが変わりました。私が現地へ行って「施設を見学させて欲しい」とお願いするのとはまったく違う経験が、ピースボートが今まで築いてきた関係性があるからこそできるはず、と考えさせられ、船上で新たに交流ツアーを申し込んで参加することに。
また、これから国際協力の仕事を探すときに、ピースボートのスタッフという選択肢もあるということに気付かされました。
菊池さんは最後に、パーマカルチャー(※)というものに興味を惹かれていることも教えてくれました。スウェーデンでエコビレッジへの訪問ツアーをつくった仕事を通して知ったのだそうです。私は、このインタビューで初めてパーマカルチャーという言葉を耳にし、もっと知りたいと強く思いました。菊池さんが「いつか行きたい」というパーマカルチャーの専門学校に、私も学びに行くことを約束してインタビューを終えました。 
※パーマカルチャーとは、身の回りの自然から生きる糧を得る知恵や技術を包摂した概念。対象領域は、建築学・林学・農学・文化人類学・料理など多分野におよぶ。提唱者のビル・モリソンは、日本の里山に感銘を受け概念の体系化に取り組んだと言われている。(編集部注)
(取材・文/中村佳織 編集/浅倉彩 写真提供/中村佳織 菊池 真希子)

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